電気代の1%で社会貢献。ハチドリ電力の名前に込めた想いと、目指すところとは?

2016年の電力自由化に伴い、多くの電力会社が増えました。
 
その中でも、元パタゴニア日本支社長の辻井隆行さんや、株式会社モンスターラボが契約し、社会貢献ができる電力会社として注目を集めているのが、ハチドリ電力です。
 
今回は、そんなハチドリ電力の事業責任者である小野悠希さんにサービスの概要と、事業にかける想いを聞いてきました。
 
小野さんが、ハチドリ電力を通じて解決したい社会問題と、ハチドリ電力が多くのユーザー選ばれる理由は、一体なんなのでしょうか?
 

ハチドリ電力小野悠希さん

小野悠希(Ono Yuki)|株式会社 BORDERLESS JAPAN

ハチドリ電力事業責任者
2020年10月にTEDxTenjin登壇

 

ハチドリ電力とは?

吉高
まずはじめに、ハチドリ電力がどんなサービスかを教えていただけますでしょうか?
 
小野さん
私たちハチドリ電力は、地球への環境負荷を最小限にするために、自然エネルギー100%にこだわる電力会社です。
 
吉高
自然エネルギーを提供している電力会社さんは、ここ最近増えたように感じます。その中でも、ハチドリ電力さんが持つ特徴はなんでしょうか?
 
小野さん
ハチドリ電力の特徴は、次の3つです。
 

  1. CO2を出さない実質自然エネルギー100%*であること
  2. 電気代の1%が応援したい社会活動の支援に繋がること
  3. 電気代の別の1%が自然エネルギーの発電所を増やす活動に使われること

ハチドリ電力3つの特徴
吉高
詳しくお聞かせいただけますでしょうか?
 

CO2を出さない実質自然エネルギー100%

小野さん
まず、私たちは自然エネルギー100%にこだわっています。
 
今は、いろんな電力会社さんが、自然エネルギーを提供しています。しかし、電力会社さんのほとんどは自然エネルギー100%以外にも、自然エネルギー50%や30%といったプランも用意されています。
 
理由は単純で、自然エネルギーの割合が高いと価格が高くなってしまうためです。なので、お客様の経済状況に合わせて、少しでもエコしませんか?といった形になっています。
 
一方で、ハチドリ電力の場合は、地球温暖化を止めたいという想いで活動しています。
 
いろんな科学者が既に、地球温暖化をはじめとする気候変動に警鐘を鳴らしている状況がある中で、地球温暖化へのインパクトを考えて、実質自然エネルギー100%のプランだけを提供しています。
 

電気代の1%が応援したい社会活動の支援に繋がる

吉高
実質自然エネルギー100%のプランのみの提供というところに、覚悟と信念を感じます。2つ目の特徴に関してなのですが、なぜ、社会活動団体に寄付する仕組みなのでしょうか?
 
小野さん
社会貢献は、継続性が無いといけないと思っています。そのために、毎月継続的に使う電気料金から寄付ができる仕組みにしました。
 
そこに至った理由をお話しさせていただければと思います。
 
ハチドリ電力の母体のボーダレスジャパンがソーシャルビジネスしかやらない会社で、社会問題の解決を目指しています。そうなると、社会問題の解決に携わる人が増えることが重要で、ボーダレスジャパンでも、人材育成のプラットフォームを提供しています。
 
自分たちで育成するのもいいですが、周りを見渡してみると、既に社会問題に関わっている人はたくさんいるのは事実です。
 
しかし、そこには資金繰りの問題があります。
 
特に、非営利の活動をされている方は、資金繰りが難しくて、活動の幅を広げられなかったり、活動を縮小せざるを得ない状況があるのが事実。
 
裏を返せば、そこにお金が回る仕組みがあれば、社会問題に携わっている人がいるので、解決される社会問題はもっと増えると思うんです。
 
なので、社会活動をされている方にもっとお金が回る仕組みを作るために、電気代の1%を寄付できるようにしています。
 
吉高
なぜ定額ではなく、1%だったのでしょうか?
 
小野さん
1%にしたのにも、理由がありまして。要は、手軽に社会問題に携われる仕組みが必要だと考えたんです。
 
いろんな非営利団体さんがされている通常の月額支援だと、一口1000円から、3000円からなどで手が出しにくいと思うんです。2人世帯の月の平均電気代は約7000円なので、ハチドリ電力ならその1%で月70円から、年間でも840円で、比較的簡単に始められるかと思います。
 
また、電気は毎月必ず使うものです。なので、継続的に支援していけるという特徴もあります。
 
要は、月に少額で簡単に、かつ継続的に支援できるというのが2つ目の特徴です。
 

電気代の別の1%が自然エネルギーの発電所を増やす活動に使われる

吉高:毎月、少額から社会貢献ができるのはいいですね。では、3つ目の特徴をお聞かせいただけますか。
 
小野さん
3つ目の特徴は、支援した金額が未来の自然エネルギーの生産に繋がるということです。
 
現状、日本では電力の約8割を火力発電に頼っていて、自然エネルギーの比率は18%。
 
世界的に見ても決して高いとは言えない数字ですし、他の先進国が火力発電所を減らしていくという施策をうち出している中、日本では増やそうとしている動きもあります。
 
そこで事業として重要なのは、火力発電の割合を減らすことと、自然エネルギーの割合を増やすこと
 
なので、自然エネルギーの発電所を増やしていくために、1%の積み立てが必要なんです。
 
また、発電所を作れば売電ができるので、お金が生まれるわけですが、その利益もハチドリ電力のものではなくて、次の自然エネルギーの発電所を作るための取り組みに、100%使われる予定です。
 

ハチドリ電力を立ち上げたきっかけ。

はちどり電力の小野悠希さん
吉高
実質自然エネルギー100%で環境に優しく、毎月寄付によって社会貢献でき、かつ未来に繋がる発電所も増やせるというわけですね。素晴らしい取り組みだと思うのですが、なぜ、このようなビジネスモデルを始めようと思ったのでしょうか?
 
小野さん
エネルギー事業を始めたのは、地球温暖化に対する危機感からでした。
 
2019年12月に当時官房長官だった菅さんが、日本に火力発電所を増設する意向を発表して、これは本当に止めなければいけないと。そう思って始まったのがハチドリ電力だったんです。
 

環境問題に無関心な訳ではない。ただ知らないだけ

吉高
他がやらないなら私がやるっていうのは素晴らしいですね!しかし、これだけ日本で自然エネルギーの割合が増えていないのは、どうしてなんでしょうか?
 
小野さん
おそらくは、多くの方が環境問題に関して、知らないという現状だと思います。
 
2016年に電力自由化になって、自分が住んでいる地域の電力会社以外からも電気を買えるようになったのですが、蓋を開けてみると、電力自由化で電力会社を切り替えたのは、日本全体でも2割なんです。
 
吉高
そんなに少ないんですか?実際に私も切り替えるメリットがわからずに同じ電力会社にしていたので、その気持ちもすごくわかります。
 
小野さん
そうなんです。電力自由化になって、多くの電力会社は今よりも電気代が安くなりますよという訴求でした。
 
それで切り替えたのが全体の2割。
 
では、残りの8割の方は無関心かというと、そんなことも無いと思っていまして。
 
その8割の方たちは、電気を変えられるということを、そもそも知らなかったり。または、火力発電が地球温暖化にどれだけ寄与しているのかを知らなかったり
 
要は、無関心ではなくて、未認知なんだと思うんです。
 
で、話を戻しますと、電気代を安くするために動いたのが、2割ですので、残りの8割の方が動くためには、電気を変えることを目的にするのではなくて、何かを達成するための手段にすればいいのでは無いかと考えました。
 
それで、電気代の1%が寄付されるというモデルにしたんです。
 
日本には、寄付文化が無いと言われがちなんですけど、何かしらの寄付をしたことがある方は、統計によると一定数います。
 
要は、誰かの役に立ちたい、誰かに貢献したいという想いは、潜在的にみんなが持っている感情なんです。
 
なので、重要なのは、その善意を無理なく、ずっと続けられることだと思ったので、このモデルにしました。
 

地球温暖化の深刻さを知った2019年

吉高
小野さん自身が、地球温暖化に関して強い想いを持っているのは何がきっかけなんですか?
 
小野さん
私の場合は、環境活動家のグレタさんです。
 
逆にいうとグレタさんが有名になる以前は、地球温暖化がどれだけ深刻な問題なのかは知りませんでした。
 
それから勉強してみると、地球温暖化という問題が本当に予断を許さない状況であることを知りました。加えて、多くの科学者がもう手遅れだという発表をしていたりという現状があることがわかりました。
 
でもいくら調べても、じゃあどうすればいいの?がわからなかったんです。地球温暖化が進行するという事実だけはそこにあって、一方で、改善のため何をすればいいのかがわからない
 
それってすごい怖いなと思いましたし、地球温暖化を食い止める選択肢を誰かが作らないといけないなら、私が作ろうと思ったんです。
 
吉高
ないなら私が作るって、すごくかっこいいですね!グレタさんがきっかけというと、去年あたりでしょうか?
 
小野さん
そうですね。私は地球温暖化に対して何かをやりたいというのはあったのですが、何せ対象が大きすぎて、何をすればいいのかわからなかったです。
 
そんな中、代表の田口に相談したところ、元々構想にあったのもあって、「いや、電力があるよ。ちょうど電気をやろうと思ってたんだよね。」ということだったので、「私がやります」と手を上げました。
 
それが2019年の12月ですね。
 

社会貢献の新たな選択肢として

株式会社 BORDERLESS JAPANの小野悠希さん
吉高
去年の12月からなんですね。とんでも無いスピード感で驚いてます汗
既にいろんな企業や店舗、ご家庭が加入していると思うのですが、お客様の反応はいかがでしょうか?
 
小野さん
新たな選択肢を作ってくれてありがとうという声をよく頂戴いたします。
 
そもそも、環境問題は予断を許さない状況だということを知らない。はたまた、環境問題のことは知っているけど、環境問題とエネルギーが直結していることを知らない。
 
また、環境問題に対して、自分が何かアクションを起こせるということを知らない方が多くいました。
 
なので、電気の選択を通して、自分でも何か貢献できる、その選択肢を新たに作ってくれてありがとうという声をいただくことがありまして、それは何よりも嬉しいですね!
 
繰り返しにはなりますが、やはり環境問題に対する危機感って、無関心なのではなくて、知らないだけだと思うんです。
 
それが、選択肢を作ってくれてありがとうという言葉に集約されているのでは無いかと思いますし、それをできていることを誇りに思います。
 

気になる料金体系。自然エネルギー=高いを変えたい。

*こちらの記事では、2020年10月時点での料金体系を紹介しております。2021年3月現在、料金体系は変更されてますので、公式ホームページで最新情報をご参照くださいませ。
 
吉高
手軽に継続的な仕組みを作って、それが環境問題にこうけする新たな選択肢になっているのは本当に頭が下がりますし、契約したい方も多いかと思います。
 
そこで気になるのが、料金かと思います。自然エネルギーというと、高くなるイメージなのですが、料金体系を教えていただけますでしょうか?
 
小野さん
電気料金+月額会費(500円)+寄付金(電気料金の1%)+ハチドリ基金(電気料金の1%)という形です。
 
電気料金に加えてこれだけあると、高くなるように見えるかも知れませんが、電気料金に関しては、ハチドリ電力では出来るだけ料金を下げるようにしております。
 
通常の電力会社ですと、電気の使用量によって利益を設定する、従量課金のモデルです。そうすると、電気の使用量が多くても、少なくても、利益率は一定です。
 
一方で、私たちハチドリ電力は電気料金に利益を上乗せをしないモデルをとっています。
 
要は、電気の仕入れにかかった分は全て実費でそのまま、お客さんに請求している形です。では、どこで利益を出しているのかと言いますと、月額会費からになります。
 
吉高
それが500円の部分でしょうか?
 
小野さん
おっしゃる通りです。一般家庭ですと、一律で月額500円。
 
法人の場合は、電気の使用量に応じて、500から2000円と変動しますが、どれだけ使っても上限は2000円です。なので、大口の法人さんが契約しても、正直私たちの利益はそんなに多くありません(笑)
 
ユーザー側のデメリットとしては、会費が一律で500円になるので、電気の使用量が少ない単身の世帯などであれば、500円が料金に占める割合が増えてしまうので、高くなってしまう可能性があるということです。
 
ただ、3人や4人世帯ですと、料金全体に対して、月会費500円の割合が減るので、相対的に安くなる可能性が高くなっていきます。
 
吉高
なるほど。使用量が増えるほど、料金的にお得になるわけですね。
 
ただ、ハチドリ電力さんの料金体系は市場連動型だと聞きました。これによって、従来よりも高くなることは無いでしょうか?
 
小野さん
もちろん市場連動型ですので、絶対に安くなるとは言えません。
 
電力の価格は、需給バランスによって30分ごとに決まるのですが、やはり夏と冬は上がる傾向にあります。例えば、今年の8月末には温度が上がった際に、エアコンを使う方も多かったのか、一時的にすごく高騰した期間もありました。
 
ただ、知ってていただきたいのは、やはり夏と冬は値段が高騰してしまう傾向はありますので、1ヶ月ごとよりも、年間を通して見ることが重要だということです。
 
単月だけで見ると高くても、年間平均で見ると安いということは、実際に多いです。
 

ハチドリ電力の名前に込めた想い。

吉高
市場連動型は、年間を通じてみると、安くなることが多いということですね。勉強になります。
 
では、最後になりますが、ハチドリ電力という名前に込められた想いを教えてください。
 
小野さん
ハチドリの一雫という南米の物語があるのですが、その物語が由来です。
 

 
森が燃えていて、森の生き物が逃げたり困惑していたりしている中、クリキンディという名のハリドリだけは、口ばしで水のひとしずくを運んでは、火に落とします。
 
動物たちは、それを見て、「そんなことをして何になるんだ。」と言うのですが、クリキンディはこう答えます。
 
私は私にできることをしているだけ」と。
 
この物語のメッセージは、私たちがハチドリ電力に込めているメッセージと同じなんです。
 
一般家庭のみなさんが電気を変えたところで地球温暖化に対して何か変わるの?と言われることも正直あります。
 
悔しいですが、1人ひとりの力は小さくて、微力かも知れません。ただ、微力は無力ではないんです。その微力が集まれば、必ず世界は変わる信じています。
 
ハチドリ電力はそのように世界を変えるような微力を集める仕組みであれば嬉しいなと思います。
 
また、みなさん1人ひとりが家庭の電力を自然エネルギーに変えるだけで、排出されるCO2の半分は削減ができます。1人ひとりの半分は少ないかも知れません。
 
しかし、日本の火力発電から出ているCO2は全体の4割で、それを削減することができるのは事実です。
 
世界は、2030年までに温室効果ガスの排出量を半分に、2050年にはゼロにしないといけないマイルストーンを持っています。
 
そのマイルストーンを達成するためには、みなさんがご家庭の中で手軽に取れる選択肢で、かつ大きなインパクトを持っている電気ですので、みなさんが切り替えることには大きな意義があると思っております。
 
このように、電気を通じてですが、1人ひとりが目の前のできるととをやっていく、そして地球温暖化という大きな問題を少しでも食い止めたい
 
そんな想いがハチドリ電力というサービス名には込められいます。
 

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編集後記
今回は、ハチドリ電力の小野さんにインタビューし、事業を行っている想いや、私たちにできることをお伺いしましたが、いかがでしたか?
 
地球温暖化というのは、確かに大きな問題で、1人の力では到底太刀打ちできないかも知れません。しかし、小野さんがいうように、微力でもそれは無力では無いんです。
 
買い物は投票という言葉があるように、私たちの未来は、1つひとつの選択によってきまります。あなたはどのような未来を選択しますか?
 
それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
 
※非化石証書(再エネ指定)の購入により、実質的に、自然エネルギー100%の電気の供給を実現します。
 

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ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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