SDGsウォッシュとは?最大のリスクと気をつけたい3つのこと

2021.07.30
SDGsの達成が世界で叫ばれる中、SDGsへの取り組みをアピールする企業も増えてきました。 人類の共通目標であるSDGsに対して取り組んでいるのは、素晴らしいことですが、中には実態が伴っていないのに、表向きではSDGsへの取り組みとして大体的に宣伝する企業がいるのも事実。 SDGsウォッシュと呼ばれる現象ですが、今回はそのSDGsウォッシュに関して解説します。 SDGsウォッシュは倫理的に良くないだけではなく、自社の評判も落としかねない危険な行為。具体例を紹介するとともに、SDGsウォッシュにならないようにはどうすればいいかも解説いたします。

SDGsウォッシュとは

SDGsウォッシュとは、実態が伴ってないにもかかわらず、あたかもSDGsに取り組んでいるように見せかける行為を揶揄する言葉です。
 
見せかけのエコを意味するグリーンウォッシュからきています。
 
消費者の環境意識が高まりに伴い、環境に優しいことをうたうことがイメージアップや宣伝につながることから、1990年代後半からグリーンウォッシュが登場しました。
 
SDGsが注目されるようになった現在、グリーンウォッシュと同じ流れで、イメージアップのために実態が伴っていない発信であるSDGsウォッシュが広がり出したのです。
 

SDGsウォッシュは何がいけないのか

SDGsウォッシュのリスク
 

実態が伴っていなくても、マーケティングやPR活動の一環としてSDGsに取り組んでいることをアピールする。仮にそれがSDGsウォッシュであってもイメージアップにつながるならいいのでは?と考える方もいらっしゃることでしょう。
 
しかし、以下の理由から実態が伴っていないSDGsウォッシュは絶対に避けるべきだと断言します。
 

  • SDGsウォッシュだとバレた場合に大きな代償を払うリスクがあるため
  • 倫理的に良くない行為であるため

 

大きな代償を払うリスク

SDGsに取り組んでいると認識してもらっているうちは、数字だけを考えればビジネス的には問題ないでしょう。
 
しかし、SDGsウォッシュだとバレた際には、消費者から大きな反感を買い、SDGsをアピールする前よりもかえってイメージを大幅に落としかねません。
 
実際に、米国系アパレルの人権侵害が判明した際に、消費者は不買運動を起こしました。
 
それによる「仮に不買運動が発生していなかった場合の売上高予測値」は日本円で約1兆3,764億円にもなるとのデータ(1)が存在します。
 
今は、NGOや消費者が常に企業がSDGsウォッシュを行っていないか見張っています。
 
実態が伴わないアピールはやめた方が無難だと言えます。
 
(1)人権を軽んじる企業には、1000億円以上失うリスクあり
 

倫理的に良くない

2つ目の理由はシンプルにSDGsウォッシュが倫理に正しい行動ではないためです。
 
SDGsに取り組んでいることをアピールすることは、「1. 貧困に終止符を打ち、2. 地球を保護し、3. すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすること」である人類共通の目標に取り組んでいることを意味します。
 
そのような企業はやはり消費者としては魅力的。その気持ちを利用して、自社の利益を上げるためだけに、実態がないのにもかかわらずSDGsに取り組んでいることをアピールすることは非倫理的だと考えられます。
 

具体的な事例

ウォッシュの事例集
 
ここまで、SDGsウォッシュが何で、なぜ良くないのかをみてきましたが、具体的にはどのようなアピールがSDGsウォッシュなのでしょうか。

 

取り組みが不十分な場合

1つ目のパターンはアピールに対して取り組みが不十分な場合。
 
2019年に三菱東京フィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループが公表した新規の石炭火力発電所向け融資を原則として中止する方針などが当てはまるでしょう。
 
しかし、この方針はパリ条約を進めるのに十分ではないとして、批判の的に。
 
その後行った、2040年までに段階的に融資をゼロにするとの発表には一定の評価がつきました。
 

他の項目を無視している

もう1つの典型的なパターンは、SDGsの他の項目を無視しているもの。
 
例えば、リサイクル素材を使っているからSDGsに貢献しているなどのものです。
 
リサイクル素材の使用は一見すれば資源の利用を抑えているため、SDGsウォッシュではないように映るかも知れませんが、そのリサイクルの過程ではどのような環境負荷があるのかに関しては、あまり論じられていません。
 
もしかすれば、大量のCO2を排出しているかも知れませんし、加工している過程で大量の廃棄物などが発生している可能性もあります。
 
そうすれば、気候変動に具体的な対策をや、海を守ろう、陸を守ろうなどには反していると考えても不自然ではありません。
 
このようなSDGsウォッシュはサスティナブル素材が注目を浴びているがために、今後よく目にすることになるはずです。
 

なぜSDGsウォッシュが起こるのか

ウォッシュになるのはなぜか
 
SDGsウォッシュの事例をみてきましたが、当の本人たちも自覚がないままSDGsウォッシュを行っている可能性があります。
 
では、一体なぜSDGsウォッシュが起こるのでしょうか。
 
ここで重要な視点は、外部圧力によって、短期的な視点でSDGsと結びつけているのか、それとも中長期のチャンスだと信じて取り組んでいるのかの違い。
 
SDGsウォッシュが起こる場合は、外部圧力によって短期的な視点でSDGsと結びつけているケースが多いものです。
 
ここからは主な3つのケースを解説しますので、上記の視点で見てみてください。
 

今ある事業を表面的に結びつけてしまう

よくあるのは、既存の事業を表面的にSDGsに結びつけているケース。
 
ホームページで、17の目標のうち5つに取り組んでいますと紹介していたりします。
 
本当に取り組んでいる企業の場合、ホームページにはわざわざ載せない、もしくは定量的な数字を根拠に取り組みを示すものです。
 
例えば、2020年SDGsランキング首位のオーステッド、ホームページ上ではSDGsに関する記述はなく、サスティナビリティレポートで取り組んでいる項目と、定量的な数字を記載しています。
 
逆を返せば、表面的に結びつけていて、ホームページで宣伝している場合と、強引に結びつけている場合は、SDGsウォッシュの可能性が高いということになります。
 

各項目の繋がりを理解していない

SDGsの各項目のつながりを理解しきれてない場合もSDGsウォッシュになる可能性が高いです。
 
例えば、リサイクルマテリアルを使っているから「つくる責任 つかう責任」に当てはまるとしてSDGsに取り組んでいると宣伝する場合も、それは製造の過程で大量の温室効果ガスを排出していれば、目標13の『気候変動に具体的な対策を』とは逆を行っていることになり、SDGsウォッシュと言われる可能性が。
 
SDGsは地球環境に関する項目を達成した上で、社会に関する項目を達成し、その上で持続可能な経済を作っていく(詳しくはSDGsウエディングモデルをご参照ください)ものなので、繋がりを理解していないと本末転倒な取り組みだと言われても仕方ないでしょう。
 

重要性を理解していない

SDGsに取り組む文脈の中でよく聞くのが、どうすればSDGsでお金儲けができるのか?という論調。
 
ビジネスはお金を稼がないといけないのは当然ですが、SDGsで儲けるということは単に表面的に自社の事業と結びつけて、稼ぐということではありません。
 
SDGsに取り組む中でまだ誰も手をつけていない領域で経済を生み、それが大きな経済圏が発生し、利益という形で会社に還元されるのが本質です。
 
なので、SDGsに関連させてお金儲けではなく、抜本的に世の中を変える何かをやることがSDGsにつながるという認識でいないと、SDGsウォッシュだと言われても仕方ないでしょう。

 

SDGsウォッシュにならないために

ウォッシュを回避するための術

ここまでなぜSDGsウォッシュが発生するのかに関して解説してきましたが、ここで疑問なのはどうすればSDGsウォッシュにならないか?ではないでしょうか。
 
もちろん、本質的にSDGsを理解して、事業を以って取り組めばSDGsウォッシュだと言われることはないでしょうが、それはあまりにもハードルが高いという企業もいるのは事実でしょう。
 
最後に、電通が発表したSDGsウォッシュにならないためにできること(SDGsコミュニケーションガイドより)を紹介しますので、参考にしてみてください。
 

  • 根拠がない、情報源が不明な情報を避ける
  • 根拠となる情報の信頼性が希薄な場合、あるいは検証材料がない場合。

  • 事実よりも誇張した表現を避ける
  • それほどでもないSDGsへの取り組みを大きく強調して訴求したり、小さな取り組みを大げさに取り上げたりするケース。
    法律で規制されている事項を、自主的に配慮しているように表現するケース。

  • 言葉の意味が規定しにくいあいまいな表現を避ける
  • 言葉の意味が規定しにくく、SDSsへの対応の具体性に欠けるコピーワークなど。

  • 事実と関係性の低いビジュアルを用いない
  • SDGsへの配慮の事実がないにもかかわらず、「貧困」「教育」等の写真でSDGsイメージの付与・増幅を狙うことなど。

 
このコミュニケーションガイドからもわかるように、総じて言えることは、事実以上に話を盛ったり、よく見せようとしないことだと思います。
 

おわりに。

当記事では、SDGsウォッシュに関して解説してきましたがいかがでしたか。
 
SDGsウォッシュは倫理的に良くないだけでなく、発覚した際の代償が非常に大きいので、絶対にやめましょう。
 
SDGsの文脈でステークホルダーとコミュニケーションを行う際には、コミュニケーションガイドにもあるように、事実以上によく見せようとしないことが重要です。
 
当社では、SDGsやサスティナブルに特化したブランディングを行っています。
 
自社でサスティナブルメディアを運営しているノウハウから、顧客にどのように伝えればいいかを熟知しています。
 
SDGsに対して取り組みを行っているが、どのように伝えればいいかわからない方は、ぜひ一度無料相談をしていただければと思いま。
 
それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

WRITER
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。