最後の生存戦略、サスティナブルトランスフォーメーション(SX)とは

2021.07.30
サスティナブル とは、持続可能性を意味する言葉で、昨今の文脈では環境に優しい、社会に優しいことを指します。 サスティナブルであることが注目が浴びる中、叫ばれ始めているのが経営のサスティナブルトランスフォーメーション(SX)。 持続可能な転換に直訳されますが、その本意はどのようなものなのでしょうか? 当記事では、サスティナブルトランスフォーメーションが成功するための重要な3要素と、行う上で直面するであろう3つの課題を解説します。 サスティナブルを自社で推進していきたいと考えている方はぜひ最後まで読んでいただければと思います。

サスティナブルトランスフォーメーションとは?

サスティナブルトランスフォーメーションとは、下記の2つを考慮に入れた長期的な経営戦略を取ることを意味します。
 

  • 自社の中長期的な価値創造
  • 社会の持続可能性

 

VUCAの時代と言われる中で、企業が中長期的な価値創造をすることが求められており、その鍵が社会の持続可能性にあると言われています。
 
要は、環境や社会を考えて、サスティナビリティを考慮した経営を行うことが企業の中長期の価値向上につながるため、サスティナブルな要素を経営戦略に組み込むことが大事だと言うことです。
 

DXとSX

DX(デジタルトランスフォーメーション)はサスティナブルトランスフォーメーションを進める上で、欠かせない手段だと考えられています。
 
そのため、この2つは決してどちらかを選んで取り組むといった類のものではなく、DXを行い、自力を高めることが、SXに挑戦するための絶対条件だと考えられています。
 

SXが必要な理由

SXの重要性 

2020年ごろから急にその重要性が叫ばれ始めたサスティナブルトランスフォーメーションですが、なぜこのタイミングで必要とされているのでしょうか。
 
そこには大きく2つの理由があります
 

企業戦略の見直し

2019年から続いている感染症の影響もあり、世界は一変し、急速な改革が必要となりました。
 
その中で、企業がどのように変わったのかを調査した結果(1)が以下です。
 
この結果によれば、アフターコロナを見据えて、「企業戦略を見直した」又は「見直す予定がある」と回答した企業は71%。
 
その中でも、「持続可能性を重視した経営への転換」が69%と最も多いとのこと。
 
情勢の変化により、企業が自らのあり方、経営戦略を見直しているのが1つ目の理由です。
 
(1)基礎資料_内閣官房日本経済再生総合事務局
 

ESG投資

もう1つの理由は、投資家の投資行動の変化によるもの。
 
今は、ESGと呼ばれる分野への投資が全投資額の3分の1を占めているのが現状です。
 

  • E(Environment) :環境保護
  • S(Society) :社会貢献活動
  • G(Governance) :法令遵守

 
このことからも、サスティナブルであることを考慮した経営でなければ、投資家から投資が受けられなくなってくることが伺えます。
 
その状況を避ける意味でも、サスティナブルであることを経営戦略に入れ込む「サスティナブルトランスフォーメーション」が重要だと言われているのです。
 

3つの重要要素

SXを成功させるには

ここまでサスティナブルトランスフォーメーションの重要性を説いてきました。
 
では、一体企業はどうすればサスティナブルトランスフォーメーションを成功させられるのでしょうか?
 
サスティナブルトランスフォーメーションを推奨する経産省によれば、以下の3つの要素が重要だと言います。

  1. 「稼ぐ力」の持続化・強化
  2. 社会のサステナビリティを経営に取り込む
  3. 長期の時間軸の「対話」によるレジリエンスの強化

 
1つずつ解説いたします。
 

「稼ぐ力」の持続化・強化

サスティナブルトランスフォーメーションが目指しているのは、持続可能であることなので、そのためには企業として稼ぐ力を強化する必要があります。
 
長い目で見て、強みとして持っている部分はもっとみがく、競争優位性を確保する、より有利なビジネスモデルを構築することなど、これまで行ってきたことをより強化していく必要がありそうです。
 
また、事業ポートフォリオ・マネジメントやイノベーションの種を撒いておくこともサスティナブルであるために重要だとされています。
 

社会のサステナビリティを経営に取り込む

社会のサスティナビリティ(将来的に必要とされる社会の姿)を見据えた上で、バックキャストして、マイルストーンを設定し、そこに対して現在何ができるのかを確立していく必要があります。
 
社会のサスティナビリティを考える上では、中長期的なリスクも機会(オポチュニティ)も両方あるため、それらを把握して、経営戦略に落としていくことが重要です。
 

長期の時間軸の「対話」によるレジリエンスの強化

長期的な変革(トランスフォーメーション)を考えていく上で、株主や投資家との対話は欠かせません。
 
企業と投資家が上記の視点を踏まえ、対話を繰り返すことで、より中長期で考えた際の企業経営におけるレジリエンスが強化されると言います。

 

SXの課題

SXは簡単にはいかない、難しいもの
 
このように、企業が本当の意味での持続可能になるために欠かせないサスティナブルトランスフォーメーションですが、実施するにあたって、企業と投資家の間いにはいくつかの課題があると言います。
 
まずは、多角化経営について。
 
VUCAの時代と呼ばれる中、1つの事業に経営リソースを集中させることはリスクですが、投資家からは選択と集中が求められています。
 
一方で、投資家としては、複数の事業を展開していてもシナジー効果がないものは評価がしにくいのが事実です。
 
また、新規事業に取り組んでいたとしても、未実現の利益だとして評価されにくいのが現実。
 
SDGsやESGへの取り組みにしても、企業はどのように進めていけば事業として伸びていき、投資家から信頼を得られるのか確信が持てない気持ちがある一方、投資家目線では、ESG経営自体が収益を得るための前提条件になることからも、従来の企業経営と切り離して考える必要がないとしています。
 
このように、特に3つの分野、多角化経営、新規事業、経済性と社会性の両立においては、企業と投資家の意見が食い違うことが多いため、課題が残ります。
 

さいごに。

当記事では、サスティナブルトランスフォーメーションの重要性と推進する上で重要となる3つの要素を解説してきましたがいかがでしたか。
 
サスティナブルトランスフォーメーションは、地球環境やESG投資などのこれからの情勢を踏まえると、やった方がいい「better to do」ではなく、「must do」のものになっていくと考えられます。
 
短期的な数字も見ながら、未来を見据えてバックキャストで取り組めることから始めていくのがいいのではないでしょうか?
 
また、当社では、実際に企業が行っている取り組みをマーケティングやブランディングに反映させるためのコミュニケーションサービスを行っております。
 
サスティナビリティに関して、消費者や投資家と円滑にコミュニケーションを取りたい企業様はぜひご相談くださいませ。
 
それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

WRITER
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。