TOKYO CORK PROJECT|ワインコルクを再資源化、オシャレな製品へ

サーキュラーエコノミー

ワインの消費量が多い東京では、なんと年間約1億5000万本分のワインコルクが廃棄されています。
 
この資源を有効活用しようと取り組みを行っている『TOKYO CORK PROJECT』。廃棄されるコルクを回収し、新たな製品に生まれ変わらせる試みとはどんなものでしょうか。
 
プロダクツアワードを受賞するなど、サステナブルな活動に注目が高まるTOKYO CORK PROJECTをご紹介します。
 

TOKYO CORK PROJECTとは?

 

TOKYO CORK PROJECTは、廃棄されるワインコルクを回収、再資源化し魅力的な商品を作り出すプロジェクトとして、東京を中心に展開しています。
 
回収拠点はパートナーの飲食店に設置された専用BOX。現在、回収実績は約400万本にのぼり、協力店舗は全国約750か所以上にまで拡大しました。
 
10500個のコルクがあれば、60キログラムの再生コルクができるとのこと。コルクの特徴を生かして、机、椅子などの家具、壁紙、おもちゃ、ペット用品など様々な製品に再利用されています。
 

コルクが生まれ変わるプロセス

 

実際に回収したコルクがどのように生まれ変わるのか、工程をみていきましょう。

  1. 使用済みコルクを回収
    回収されたコルクは分別され、きれいに洗浄されます。
  2. 粉砕する
    コルク栓を細かな粒状に粉砕します。
  3. 成型
    粉砕したコルクを圧縮、固形化します。
  4. 加工
    大きく固形化されたコルクは、ブロックやシート、ボードなど加工しやすい形に整えられます。
  5. 商品化
    加工したコルクを様々なものに商品化します。

 
シートやブロックなど自由に成型できるコルク。商品のアイデアは、尽きることがありません。
 

きっかけは、もったいない!から。

 

TOKYO CORK PROJECTは、主催者である北村氏が廃棄される大量のコルクを目の当たりにしたことがきっかけでした。
 
ひとつの店舗で毎月1000本以上のワインコルクが廃棄されている事実に愕然。日本全国におけるコルク廃棄の3分の1を占めるという東京で、大量消費の現実と向き合った北村氏は、ここで「大消費都市は、再生資源の宝庫である」と捉え直したのです。
 
活かせば貴重な資源だという想いを胸に、2010年にプロジェクトを開始しました。
 

「循環可能なものを選ぶ」を当たり前に

 
TOKYO CORK PROJECTは、『循環可能なものを選ぶ』という選択肢をより多く広めること、コルクを循環させてサステナブルな社会のために貢献することを目標にしています。
 
『豊かな生活を守りながら環境を考える』が最大のミッション。消費から生まれる資源を活かし、消費者が『手に取ったものがたまたま再生資源のものだった』という機会が増えるよう、循環型の消費サイクルの実現に向かっています。
 

貴重なコルクの原料

 

さて、コルク栓の原料はどこからきているかご存知でしょうか。
 
ワインのコルク栓の原料になっているコルク樫は日本で育たないため、原料を輸入に頼ってきました。
 
主な産地はポルトガルで、世界全体の生産量の半数以上を占めていると言われています。
 
植林後20年程度でようやく樹皮を採取できるようになり、ワインなどで使われる良質なコルク栓には樹齢50年近くたった樹皮が使われているとも。
 
使い捨てにしていたコルクがこれほど貴重なものだとは、容易に想像できるものではありません。
 

TOKYO CORK PROJECTの商品

 

TOKYO CORK PROJECTは、企業やホテルとのコラボレーション商品から、オリジナルブランドの立ち上げまで様々な商品開を行っています。
 
断熱性、遮音性、防水性、軽量性に優れた特徴がある天然素材のコルクは生活雑貨や家具にも利用でき、シーンを選びません。
 
シンプルなコルクならではの、スタイリッシュな商品が魅力です。
 

オリジナル商品

 

インテリアに雑貨まで、暮らしの幅広いシーンで活用できる定番のプロダクト、そして再生資源となったコルクに別のリサイクル資源を組み合わせて作られた『anela』を展開しています。
 

  • STOPPER STOOL
    シャンパンコルクをイメージしてデザインされた、コルクのスツール。コルク栓が約350個分と鉄製のフレームを組み合わせ、職人の手で丁寧に作られています。
  • HONEYCOMB TILE
    六角形のシートを組み合わせて使えるハニカムタイルは、お部屋の壁に自由な形に貼り付けて楽しめるインテリアのアレンジ商品です。
  • ペット用品
    再生コルク×再生陶器・ガラスで作られたペットのためのお茶碗や、廃棄デニムやポリエステルなどの残布を使ったペットためのクッションなど、お部屋にあるとスタイリッシュでペットが喜ぶアイテムも。

 

コラボレーション商品

 
そのほか、催事スペースのコーディネートや、什器の提供といった内装デザインからノベルティーの製作まで、サステナブルなモノづくりをしたいメーカーとのコラボレーションを通して社会貢献をしています。
 

持続可能な社会のために

 

廃材を活用することで循環型の消費社会を目指しているTOKYO CORK PROJECTの活動は、環境を考えた取り組みであることは言うまでもありません。
 
さらには、リサイクルの工程や商品生産の作業では障害者施設と協力して就労支援を行うなど、プロジェクトを通して様々な立場の人々が関われるオープンな環境を実現しています。
 
SDGsでは5つの目標に該当。つくる責任や豊かさを守るほか、産業・技術革新の未来も見据えています。
 
こうした取り組みが評価され、ソーシャルプロダクツ・アワード2021では自由テーマの部門で大賞を受賞しました。
 
これからのTOKYO CORK PROJECTの動きから目が離せません。
 

美味しいワインを飲んで社会貢献を

 

これまでワインを楽しむシーンでコルクが注目されるのは、開栓の瞬間まででした。
 
これからはビンからコルクがどれだけキレイに抜けるかどうかではなく、何に生まれ変わるのかに注目が集まるように。TOKYO CORK PROJECTは、社会的な意識や行動に発見をもたらす配信にも余念がありません。
 
消費者や事業者に気づきを与えてくれる再生コルクの商品。スタイリッシュなアイテムの数々を、ぜひワイン好きの方にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
 
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 

               
ライター:Hirokawa Karin
エシカル 、環境、SDGs、地域創生などサステナブルなテーマでWebメディアの制作に従事。フォトグラファーに始まり、ライター、コンテンツディレクター、SNSマーケと幅を広げてパラレルキャリアを邁進。週末は黒帯を締めております。
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