アップサイクルとは?リサイクルとの違いと、ブランド5選を紹介!

サーキュラーエコノミー

本来廃棄物とされていたものに、アイデアや創造性をもって、価値のあるものに変えるアップサイクル。環境への負担や資源の再活用の観点から、環境に優しい取り組みとして注目を浴びています。

本記事では、アップサイクルとは何か、リサイクルとは何が違うのかを解説した後に、アップサイクルの事例やブランドを紹介いたします。

きっと驚くような取り組みや、面白いと思えるアップサイクルのアイディアが見つかるかと思いますので、最後まで読んでいただけると幸いです。

 

アップサイクルとは?

アップサイクルとは、本来廃棄物となるものに、デザインやアイデア、技術革新で新たな価値を加えて、新しい商品やものに生まれ変わらせる取り組みです。

近年は、アップルサイクルが持つ独自性やデザイン性、そのストーリー性から、ファッション界を皮切りにひとつのトレンドとなりつつあります。

また、資源を新たに使わないという観点でアップサイクルは環境に優しいのも特徴の1つです。

アップサイクルと良く混同される概念もありますので、解説いたします。

アップサイクルとリサイクルの違い

リサイクルと何が違うの?と考える方も多いかもしれませんが、両者は別物。

リサイクルは素材の原料化、 再利用に重点を置く取り組みですが、一方でアップサイクルは、元の製品や物質を使用しながらも、より価値や次元が高い製品を生み出すことを目指しています。

リサイクルとアップサイクルの大きな違いは一度素材に戻すか否かということです。

アップサイクルとダウンサイクル

アップサイクルと反対の概念にダウンサイクルがあります。ダウンサイクルとは、元の製品の価値よりも低い製品にダウングレードすること。

例えば新聞紙を回収して再生紙として利用したり、 プラスチックケースを溶解して道路の材料にするといった取り組みのことを指します。

アップサイクルで注目される業界

ここまでアップサイクルとは何か、そしてリサイクルとの違いを見てきました。

では、 アップサイクルはどのような業界で今、活発に取り込まれてるのでしょうか。このセクションでは、アップサイクルが盛んな業界を3つ紹介いたします。

ファッション業界

アップサイクルと相性がいいのはなんと言ってもファッション業界。

有名なのは、スイス発のFREITAG(フライターグ)。 トラックの幌(ほろ)などを再利用したメッセンジャーバッグを取り扱っているブランドです。1つ1つ手作りされており、同じものが世界にふたつとしてありません。

アップサイクルが持つデザイン性やストーリー性とも相性が良く、アップサイクルの先駆けとなっているのがファッション業界です。

インテリア業界

次にインテリア業界。アップサイクルが生む一点ものであるという価値から、アップサイクルインテリアは人気を集めています。

例えば、廃棄になる車のシートベルトを使って作られた椅子や、トランペットをアップサイクルして作られたスタンドライトなどが挙げられます。

アップサイクルの家具に関しては、こちらの記事でまとめておりますので、どうぞご覧くださいませ。

食品業界

最後に紹介するのは食品業界。

フードロスや廃棄となる食材を使って、アップサイクルに新たな価値を生み出しています。

例えば、おやつのサブスクリプションで知られる(4)スナックミーは、 形や大きさが規格外である果物やオーツなどを使って、アップサイクルしたグラノーラ「Up Granola」を発売。

また、トマトを使った新しいエネルギーの開発や、廃棄になるパンを使ったビールなど、 食品を使ったアップサイクルの範囲は広がっています。

アップサイクルの5ブランドと事例を紹介

ここまでアップサイクルに関して、解説してきましたが、 最後にアップサイクルを行っている有名なブランドを紹介いたします。

有名なブランドから、日本には上陸していないマニアックなブランドまで紹介していきますので、まだ知らないブランドやアイデアに出会うチャンスですよ。

バッグブランド「FREITAG」

 

まず初めに紹介するのは、先ほども記事の中に出てきたFREITAG(フライターグ)。アップサイクルの先駆けとされているブランドで、 ご存知の方も多いのではないでしょうか。

FREITAGは、トラックの幌(ほろ)や、 シートベルト、タイヤのチューブ、 車のエアバッグなども再利用して、 製品を作っています。特に有名で象徴的なのは、メッセンジャーバッグですが、 現在は財布や小物入れ、バックパックやポーチなども製造。

世界にひとつだけの一点ものが手に入りますので、 他の人が持っているものではなく、自分しか持っていないアイテムが欲しい方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

フィンランド発のスニーカーブランド「RENS」

RENSは、フィンランド・ヘルシンキ発のアップサイクルから成るフットウェアブランドです。靴の原料となっているのは、リサイクルプラスチックと、なんとコーヒー豆の廃棄物。日本ではあまり知られていませんが、実はフィンランド人は世界で一番コーヒーを飲む民族とも言われています。

コーヒーは、世界で2番目に飲まれる飲料で、 その有機廃棄物は2,300万トンにものぼるとのこと。コーヒーが大好きなフィンランド人だからこそ、思いつくアップサイクルのアイディアと言えるでしょう。

またコーヒーは、 消臭作用にも優れているようで、RENSは通常のスニーカーよりも約3倍の防臭効果があるそうです。

コーヒー好き、北欧好き、 スニーカー好きの皆さんは、ユニークなRENSを是非チェックしてみてください。

古材を使った空間デザイン「Peace Craft」

 

Peace Craftは湘南にある、家  具雑貨、空間デザインを行う会社。

使われなくなった流木・古材・廃材などの古材をアップサイクルして住空間に活かす取り組みを行なっています。

古材を使用した作品はどれもその歴史と木が持つ温かさ、そして独特の佇まいで人気を博しています。

パンから作られたビール「Toast Ale」

Toast Aleは、イギリスでアップサイクルされたビールを製造販売する会社。

廃棄予定のパンをアップサイクルし、ビールを作っています。

また、Toast Aleでは利益の全てをチャリティに寄付。その資金で46,611もの食事を提供したとのことです。

未利用魚を使ったレストラン「Kai’s Kitchen」

 

最後に紹介するのは、未利用魚を利用したレストランのKai’s Kitchen。

規模が小さいがために流通には乗らない魚を、独自の捌く技術を以って、レストランで提供しています。

未利用魚は本来捨てられてしまう魚で、その魚たちを美味しくいただけるのも素敵なポイントです。

さいごに。ゴミをアイディアで循環させよう

本記事では、アップサイクルとは何か、そしてアップサイクルを展開しているブランドを紹介してきました。

環境に優しいのはもちろんのこと、アップサイクルはそれ自体にストーリー性やデザイン性、独自性があって面白いものです。

ぜひ、世界にひとつしかない、あなただけのアップサイクル製品を見つけてみてはいかがでしょうか。

また、アップサイクルは、資源を循環させるサーキュラーエコノミーの1つです。資源を新たに使うのではなく、循環させることは、持続可能性を高めるために非常に重要な概念なので、ぜひ下記記事もご覧いただければと思います。

サーキュラーエコノミーとは?新しい経済モデルで持続可能な社会に

それでは最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの初代編集長。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることがミッション。
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