生物多様性|多様な種を残し、豊かな環境を守るためにできること

気候変動

生物多様性とは、自然にバラエティ豊かな生き物が存在している状態を意味します。
 
多種多様な生き物によって成り立ち、壮大で美しい景色をつくるかけがえのない自然。さたに、人間の営みと深く繋がりあっている自然は、私たちにとって守るべきものです。
 
また、生物多様性の恩恵がによって、生態系が維持され、私たちの豊かな生活があります。
 
しかし、そんな人間の生活の恵みとなっている生物多様性は、今、存続の危機に。生物多様性が危機的状況にあるということは、野生生物の個体数が減少し、生態系にゆらぎが生じている状況です。
 
当記事では、生物多様性の概要から、生物多様性が注目されている背景、保全が必要である理由、1人ひとりができるアクションまで、幅広くご紹介します。
 

生物多様性とは?

生物多様性とは、バラエティに富んだ、さまざまま生きものたちが自然に存在している状態を表します。
 
生物多様性を実現するためには、多様なタイプの自然環境があり、さまざまな種が生息し、同じ種類でも姿かたちが少しずつ違う、といった3つの特徴で定義されることが多いです。
 
生態系の多様性、種の多様性、そして遺伝子の多様性といったように説明されます。
 
日本には四季があるため、自然を見渡せば、鳥、昆虫、植物など色んな生き物が存在しているというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
 
しかし、自然界から生き物が減少している今だからこそ、生物多様性が話題になっているんです。次では、生物多様性が注目される理由をお伝えします。
 

どうして生物多様性が話題になっているか?

夏の風物詩であるセミ。実は、夏を象徴する昆虫であるセミが関東地域を中心として、個体数が減少しているのです。
 
セミの例の他にも、存在が当たり前だった生物が姿を消しています。このように、さまざまな生物が生息する自然というイメージから、離れつつある現状が、生物多様性を話題に置くきっかけです。
 

絶滅危惧種の急速な増加

絶滅危惧種の数は、自然界のシステムでは考えられないスピードで急増しています。なんと、100万種もの動植物種が絶滅の危機に。
 
絶滅危惧種について詳しく説明した記事はこちらへ。
 
絶滅危惧種や、個体数の減少を食い止められずに、絶滅した生き物が増えることは、生物多様性を損なうことにつながります。
 
そのような現状に警鐘を鳴らし、改善していくために、注目を集めているのが生物多様性です。
 

熱帯雨林の破壊

また、絶滅危惧種を増やし、生物多様性を損なう理由の1つとして、熱帯雨林の破壊が挙げられます。
 
例えば、畜産のための農地拡大や、大量生産を行う工場のために土地を拓くなど理由で、急速な減少傾向にある熱帯雨林。
 
熱帯雨林の面積が少なくなるということは、生き物にとって生息地を奪われてしまうということです。そのため、絶滅種や絶滅危惧種が増加し、生物多様性がなくなってしまいます。
 
ここまで、生物多様性は注目されている理由をご説明しました。では、そもそも生物多様性はなぜ地球において重要なものなのでしょうか?
 

生物多様性が重要な理由5つ

msc認証マークが守る海洋
生物多様性を保護する動きの背景には、自然界にとって生物多様性は欠かせないものであるからです。その理由を、5つに分類してご紹介します。
 

野生の生物は生態系を支えている

まず、野生の生き物は生態系を支える主な要素です。種のひとつひとつが、繋がりあって構成されているのが生態系です。
 
食物連鎖というものがあるように、生き物は関係しあっています。
 
そのため、どれか1種でもかけてしまうことは、全体の生態系にゆらぎを与えてしまい、崩壊させかねないというリスクが。
 
このように、種と種には深く、そして複雑な関係性があります。
 

豊かな生物多様性から成る生態系は人間の健康を守る

先ほどご説明したように、豊かな生物多様性を保護することで、野生動物由来の感染症を人間界へ運ぶことを防ぐことができます。
 
人間と自然界の距離が、近くなっている昨今。生き物由来のウイルスによる被害が多くなっていますが、生物多様性を守れば、そもそも自然界における疫病の流行から防止できる可能性が。
 
このように、人間の健康を保護するためにも、生物多様性は守るべきものです。
 

生物多様性は気候変動対策である

地球温暖化の進行により、異常気象や海面上昇が顕著である現代。これ以上の地球温暖化をとどめるためには、生物多様性によって、森林や植物が持続可能である状態をつくることが必要とされます。
 
なぜなら、生物多様性によって広大な森林を持続させることが、二酸化炭素を吸収する生態系システムを保護することだからです。このように、生物多様性を保全することが、地球温暖化や気候変動を防ぐ対策の1つに繋がります。
 

経済効果も持つ生物多様性

生物多様性により、例えば食品業界、林業、そして観光業界をも恩恵を受けています。
 
なぜかというと、人間は食材、燃料、医薬品などさまざまな物を自然界に頼っているからです。この状況で、自然が喪失することは、それに付随するビジネス機会まで損失することでもあります。
 
さらに、植物由来の材料を必要とする業界だけでなく、壮大な自然を売りに観光客を魅了する観光業界も打撃を受けるという予想があります。
 

文化やアイデンティティの根本である生物多様性

生物多様性から成る自然は、人間の文化やアイデンティティの根本。なぜなら、自然の要素は、宗教的、文化的、国のアイデンティティ的にも基盤となっているからです。
 
自然からの気づきや、自然との繋がりを守り、人間も持続可能であるためには、生物多様性は保護すべきと考えられています。
 
保護すべきである理由をここまでご説明しましたが、保護しようとする動きとしてはどのようなものがあるでしょうか?
 

生物多様性を守る社会の取り組み

社会において、生物多様性を守るためになにが行われているのか、具体的な例を解説します。生物多様性を守るために、中核にある約束は生物多様性条約です。
 
生物多様性を守る、世界的取り組みの1つが生物多様性条約。
 
生物多様性条約では、先進国の出資により、途上国が自然を守る活動をサポートするシステムを促進、そして、先進国の技術を途上国へ渡すという、技術協力も含まれています。
 
生物の多様性を保護し、自然からの恩恵を持続的に利用できるシステム、そして恩恵から生まれる利益を公正で衡平な配分するということが目標です。
 
生物多様性条約の他にも、生物多様性基本法や生物多様性国家戦略など、2つの取り組みがあります。
 

企業や団体も生物多様性のためにうごきだす

wwfのパンダ
生物多様性を守るための社会全体の取り組みを受けて、いくつかの企業や団体は動き出しています。
 

WWF

WWF(世界自然保護基金)は、地球一個分という解決を目指し、環境や生物多様性を保護している団体です。主に、アマゾンやインドネシアの熱帯雨林保護を行っています。
 
植林など、森林を保全する活動とともに、持続可能な森林の利用を促す活動も積極的に行う団体です。

Biodiversity&Industry

Biodiversity&Industry には、Engie、Iberdrola、Philip Morris、Solvay、Titan等の多国籍企業が参加しています。
 
ビジネスと環境問題への対策を両立させるために、包括的な解決策を開発しているグループの例。例えば、グローバル生物多様性スコアや、総合評価ツールなど、企業の生物多様性への影響を評価するための多くのツールを提供している取り組みです。
 

生物多様性はひとりひとりの意識で守れる

豊かな自然を保護するために、個人ができる取り組みとしてMY行動宣言という取り組みが推奨されています。
 
MY行動宣言は、『国連生物多様性の10年日本委員会』によって定められた5つのアクションが構成要素です。

食べよう 食べものを選ぶ際に、地産地消と、旬の食材を意識して選ぶ。
触れよう 自然の中へ出かけ、動物園・植物園などを訪ね、自然や生きものにふれる。
伝えよう 自然の素晴らしさや季節の移ろいを感じ、写真や絵、文章などで伝える。
守ろう 生き物や自然、人や文化との「繋がり」を守り、地域や全国の活動に参加する。
選ぼう エコラベルなどが付いた、環境に優しい商品を選んで買う。

上記のように、生物多様性を守るためには、個人が少しずつ貢献することが大切です。

コラムエコラベル
代表例として、森を守るマークFSC®認証と海のエコラベルMSC®認証があります。FSC®認証は、木材由来の紙製品等に。MSC®認証は、海洋製品によく見られます。エコラベルはスーパーやコンビニなど、さまざまな場所で見つけることができるので、探してみてください。

 

さいごに。

自然界だけでなく、人間の営みまでも豊かにする生物多様性。そんな生物多様性が、近年失われつつあることを、今回の記事ではご説明しました。
 
ただ単に、生物多様性が失われることは、ただ単にある種が姿を消すことではありません。さらなる連鎖を経て、生態系や人間の生活まで影響を及ぼす変化だと言えます。
 
生物多様性は、人間にも自然にも、地球にとっても重要なものであるため、昨日より少しだけ、自然の豊さに目を向けてみてはいかがでしょうか?
 
MY行動宣言など、簡単な貢献スタイルもあるため、ぜひ取り入れていただければ嬉しいです。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

               
ライター:Ayaka Sato
Ethical Choiceのインターン。自分のアクションで、地球のどこかの誰かが幸せになってくれる、そんな未来を描いて日々奮闘中。
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