気候非常事態宣言とは?世界の取り組みと私たちにできる5つのこと

気候変動

最近、ニュースや新聞でよく聞く「気候非常事態宣言」という言葉。
 
「非常事態」という切迫感のある響きに、ドキッとしたという方も多いのではないでしょうか。
 
今回は、聞き慣れない「気候非常事態宣言」という言葉について解説。
 
また、宣言した世界の国々の一覧や日本の動き、そして私たちにできることについてもお届けしていきますので、環境問題に興味がある方は、ぜひご覧ください。
 

気候非常事態宣言とは?

気候非常事態宣言(英:Climate emergency declaration, CED)とは、気候変動への危機に対して自治体(国のほか、都道府県、市町村単位など)や大学、学会等が宣言を出すことです。
 

気候変動への危機とは具体的に、気温の高温化、豪雨、大規模な山火事、干ばつなど。
 
ここ数年、世界のさまざまな国で上記一覧のような災害が頻発しているため、宣言を決議する国も増加しています。
 

日本では、長崎県壱岐市の決議、宣言を皮切りに東京都多摩市、兵庫県明石市、大阪府大阪市、長野県上田市など様々な都道府県や市区町村にて決議、宣言されています。
 
また、日本国としても2020年に衆議院・参議院にて気候非常事態宣言が決議され、国会では気候変動に対応するさまざまな政策を打ち立てようとしています。
 

宣言がでた背景とは?

そもそも気候非常事態宣言という用語は、2009年6月13日にオーストラリア・メルボルンで行われた「気候非常事態集会」という抗議行動をきっかけに作られました。
 
その後、2016年にオーストラリアのメルボルンにあるデアビン市が気候非常事態宣言を宣言。
 
欧州をはじめ世界の多くの国がその宣言に注目し、後に続きました。
 
また、2018年にはスイスにある民間のシンクタンク「ローマクラブ」が「気候非常事態プラン」を発表し、具体的な措置を提言しました。
 
世界中で気候非常事態宣言を決議、宣言している自治体・組織を含める団体は2019年時点で935(住民総数約2億600万人)にのぼります(1)
 
(1)Climate emergency declarations in 1,940 jurisdictions and local governments cover 826 million citizens
 

宣言を出した世界の国一覧

【気候非常事態宣言をした国一覧】(2020年11月情報)

  • スコットランド 
  • イギリス
  • ジャージー
  • アイルランド共和国
  • マン島
  • ホーリーシー
  • ポルトガル
  • カナダ
  • フランス共和国
  • 日本

 
現在、気候非常事態宣言をしている国は上記一覧の通り。また、国としてはまだ宣言をしていなくても、自治体として気候非常事態宣言を行っている国も実は多数あります。
 
例えばアメリカ合衆国では22の自治体が、オーストラリアでは35の自治体が宣言済み。
 
そして日本は、2020年11月20日に国会で決議され、宣言を出しました。
 
日本政府として気候非常事態宣言をした後も、2021年には北海道札幌市や大阪府堺市、沖縄県などさまざまな都道府県や市町村が宣言を出しています。
 
また、千葉県千葉市などでは「千葉市気候危機行動宣言」が決議されるなど、気候非常事態宣言とはまた名称の違う、都道府県独自の宣言が出ることもあります。
 
さらに、日建設計など一般企業や、大学などでも決議・宣言をするところが増えています。
 

日本が気候非常事態宣言を出すまでの過程とは

2020年11月20日に、国会が気候非常事態宣言を可決。その国会での決議までの道のりとは、一体どういったものだったのでしょうか。
 
まず、日本で一番はじめに気候非常事態宣言を出すと決議した地域は、長崎県壱岐市。2019年9月に宣言を出しています。
 
長崎県壱岐市に続くように、10月には神奈川県鎌倉市、12月に長野県の北安曇郡白馬村にて決議され、宣言となりました。
 
その後も多くの県や市区町村がそれに続き、日本国としては、2020年11月19日、衆議院本会議にて採択され、同月20日、参議院本会議にて全会一致で決議され、宣言に至りました。
 
衆議院・参議院での決議を受けた環境省の小泉進次郎環境大臣は、決議をきっかけにより気候問題に対する取り組みを加速させるという発言もしています。
 
環境省ならびに国会では「温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする」という「カーボンニュートラル宣言」もしており、衆議院、参議院を中心とした脱炭素経済・社会へのさらなる取り組みも期待されています。
 

気候非常事態宣言の効果

ここまで、気候非常事態宣言の内容を見てきましたが、一体宣言を出すことでどのような効果があるのでしょうか?
 
気候非常事態宣言の効果は、気候変動へ政策立案、計画、キャンペーンなどの対応を優先的に行えること。
 
また、今まで軽く考えていた異常気象にも深く注目し、また、世界のために何かができることはないかとSDGsについて学ぶほか、その対策を考え出す人も多いのではないでしょうか。
 
このように、宣言を出すことで行政の仕組みを整えられるのと、人々の意識を変えられることが効果だと考えます。
 

環境のために、私たちができることとは?


 
ここ数年の異常気象で、誰もが不安を抱えるようになってきた気候変動。
 
お住まいの都道府県が「気候非常事態宣言」を出したことをきっかけに、より不安が強まったという方も多いのではないでしょうか。
 
国や都道府県単位でさまざまな活動を行っているというのが現状ですが、そんな気候変動への危機について私たちができることはあるのでしょうか。
 

気候変動への危機に対応するためには、地球温暖化を食い止めることが重要といわれています。
 
続いては、地球環境やこれからの世界のために私たちがすべきこと、やっていきたいことを一覧にしてご紹介します。
 

省エネ活動

エアコンの設定温度を少し上げる、使わない電気は消す、歩いて行けるところには歩いて行く。
 
ほんの少しの行動でも、多くの人が実行すると二酸化炭素排出量の大幅な削減につながります。
 
省エネが叶う家電にする、車をハイブリッドカーにするというのも効果的です。
 
おうちではもちろん、職場や学校でも実践していけば少しずつ地球環境も良くなり、気候非常事態宣言が出た国や都道府県の環境もよくなることでしょう。
 

緑化活動

植物を育てるということは、地球温暖化対策にも有効です。
 
植樹活動などはもちろん、ベランダで野菜や植物を育てるだけでも環境保護効果が期待できるでしょう。
 
「緑のカーテン」ともいわれるゴーヤや朝顔等を育てると、部屋の室温を下げることもできるため、エアコンの設定温度を上げても快適に過ごせます。
 
個人ではなかなか難しいというときには、緑化活動を行っている団体に寄付をするのもおすすめです。
 
また、ペーパレス化を進める、紙のリサイクルをするというのも森林伐採対策には有効です。
 

ゴミを減らす

ゴミの焼却等には、たくさんのエネルギーが使われます。
 
ゴミを減らすということは、地球環境に優しい暮らしをするということ。
 
必要のないものは買わない、なるべくシンプルなパッケージのものを選ぶ、壊れたものは修理するなどの行動が、重要になるでしょう。
 
エシカルな暮らしをする方の中には、「ゼロウェイスト」といってそもそもゴミを生み出さないようにしようという考え方を持つ人もいます。
 
お買い物では過剰包装を断る、不要になったものはフリマアプリで販売したり人に譲るといった行動も重要なことでしょう。
 

地産地消を心がける

スーパーに行けば、季節を問わずさまざまな野菜や果物が販売されています。
 
旬の食材は環境負荷も少なく作ることができますが、旬ではない食材は多大なエネルギーを使って作られているものもあります。
 
できるだけ旬のものを食べきることが、地球環境にも優しい暮らしといえるでしょう。
 
また、多大なエネルギーをかけて運ばれる食材よりも地元のものを優先して食べるというのも重要です。
 
同じ都道府県内で作られたものを食べるというのは、地域の活性化にもつながります。地産地消を心掛けるというのも、長い目で見ていくと気候変動の改善に寄与していくことでしょう。
 

環境保全活動をしている団体を支援する

時間、体力、家庭環境等の問題で、直接環境保全活動ができないというときには、そういった活動をしている団体を支援するというのもひとつの手です。
 
直接寄付や寄贈をするのはもちろん、日用品や食料品を買うときには、社会貢献活動をしている企業のものを選ぶというのも支援につながります。
 
無理をせず、できる範囲での支援で長く続けていくのが、気候非常事態宣言が出たこの世の中では重要でしょう。
 

さいごに。改めて、地球環境について考えてみませんか。

気候非常事態宣言の言葉の意味や宣言を出した地域、そして日本としての決議の流れや取り組みなどをご紹介しました。
 
気候非常事態宣言が出るきっかけとなったここ最近の異常気象は、温室効果ガスが影響しているともいわれています。
 
少しでも地球環境を良くしていくことは、私たちの現在の暮らしにはもちろん、まだに見ぬ子ども達の未来にとっても重要なことです。
 
できることから少しずつ。
 
気候非常事態宣言をきっかけに、世界の環境について考えてみてはいかがでしょうか。
 
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

               
ライター:Yu Furuichi
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