10種の絶滅動物をご紹介。なぜ人類は絶滅から動物を守るべきなのか?

気候変動

絶滅と聞くと、氷河期に絶滅してしまった恐竜を真っ先に思い浮かべる方が多いのではないのでしょうか。
 
恐竜のように、絶滅してしまった動物(絶滅動物)の姿を、再び見ることは不可能に近いです。しかし、私たちにとって身近な動物たちが、人間の営みによる影響により絶滅を迎えてしまいそうなのが事実。
 
実は、キリン、ゾウ、ライオン、コアラ、ゴリラ、ホッキョクグマ、チンパンジーなど、動物園でおなじみの動物たちも絶滅の危機にさらされているのです。
 
これ以上絶滅動物を増やさないために絶滅危惧種を守り、さらには地球上の生態系までもを守っていくために、私たちにはいったい何ができるのでしょうか。絶滅動物の現状と、保護のためにできることをお伝えします。
 

絶滅動物とは

過去に生息していたが、現在は生存が確認されない動物が絶滅動物です。
絶滅動物は、2つに分類されます。

  • 野生絶滅動物
  • 野生での絶滅が宣言されたが、人間の飼育下ではまだ生存している動物。

  • 絶滅動物
  • 野生かつ、人間の飼育下両方での絶滅が確認された動物。

では、動物が絶滅してしまうとどのような影響がでてしまうのでしょうか?
 

動物が絶滅してしまうことによる影響

動物が絶滅し、生態系が破壊され、自然界にゆらぎが生じることで、異常レベルの環境問題が多発するリスクがあります。
 
なぜなら、生態系はさまざまな種(生き物)が結びついて成り立っているため、どれか1つの種でも消失してしまうことは、小さなことに見えて大きな変化だからです。
 
例えば、生態系にひずみが生じることで、地球温暖化が加速し、異常気象や海面上昇などの問題が進行してしまう恐れがあります。
 
そのため、絶滅動物がこのまま増加してしまうことは、生態系と地球全体に影響を及ぼしてしまうのです。
 
では、今までにどんな動物が絶滅してしまっているのでしょうか。
 

すでに絶滅が確認された動物たち10選

100年前の約4万倍のスピードで絶滅している、動物たち。世界中でさまざまな絶滅動物が確認されています。
 
今回は、数多くある絶滅動物の中から10種類をご紹介。
 

1. 二ホンオオカミ

  • 哺乳類|イヌ科
  • 日本の本州、九州、四国に生息
  • 1905年絶滅
  • 病気の流行や乱獲、生息地の減少などの原因により絶滅

山の神とも呼ばれたニホンオオカミですが、明治後に外来の犬種が流入したことによる狂犬病の流行や、病気の伝染を恐れた人間による乱獲、生息地の環境変化かつ現象によって絶滅。
 

2. ピンタ島のゾウガメ

ピンタゾウガメの写真

  • は虫類|リクガメ科
  • ガラパゴス諸島のピンタ島に生息
  • 2016年絶滅
  • 乱獲、外来種持ち込みにより絶滅

19世紀に捕鯨業者がピンタゾウガメを大量に乱獲したことにより、種の減少していきました。さらに、20世紀後半に外来種の山羊がピンタ島に持ち込まれ、野生植物を破壊したことが絶滅の原因です。
 

3. カリブモンクアザラシ

  • 哺乳類|アザラシ科
  • 西大西洋、メキシコ湾、カリブ湾に生息
  • 1952年に野生絶滅、2008年に絶滅
  • アザラシオイルのためにらん獲され絶滅

アザラシオイルのためにカリブモンクアザラシは乱獲され、ランプや機械のために大量消費されました。中でも、砂糖農家が機械を作動させるためにアザラシの油は使われました。
 

4. ハイイロハマヒメドリ

  • 鳥類|スズメ目
  • フロリダ州メリット島に生息
  • 1987年に絶滅
  • 農薬の過剰分布により絶滅

フロリダの東海岸付近に生息していたハイイロハマヒメドリ。DDT農薬(有機塩素系の農薬)が大量に分布された影響を受け、絶滅。
 

5. オレンジヒキガエル

オレンジヒキガエルは絶滅危惧種

  • 両生類|ヒキガエル科
  • コスタリカに生息
  • 1989年に絶滅
  • 地球温暖化により絶滅

絶滅の理由には諸説ありますが、大半を占める研究によると、エルニーニョ現象によって地球が暖かくなり、地球温暖化が進んだために生息地の環境に対応できなくなったために絶滅したと言われています。
 

6. ジャイアントモア

  • 鳥類|ダチョウ目
  • ニュージーランドに生息
  • 1779年絶滅
  • 乱獲によって絶滅

地球の歴史上で最も背の高い鳥類だと言われるジャイアントモアは、ニュージーランドに移住してきたマオリ族による乱獲によって絶滅。成鳥だけでなく、卵まで全て乱獲されてしまったそうです。
 

7. ジャワトラ

  • 哺乳類|ネコ科
  • インドネシアのジャワ島に生息
  • 1980年代に絶滅
  • 狩猟・生息地、食料減少

ジャワトラは、人間によって狩猟と毒殺が行われたこと、さらにはインドネシアの人口増加により生息地が畑として切り拓かれたことで数が減少していった理由により絶滅。
 

8. タスマニアタイガー

  • 哺乳類|フクロオオカミ科
  • オーストラリアやニュージーランドに生息
  • 1960年前後に絶滅
  • 害獣として駆除されたことにより絶滅

大型の肉食動物であったタスマニアタイガーは、人間に害を及ぼすと恐れられ、駆除されてしまったことにより絶滅しました。
 

9. ニホンカワウソ

  • 哺乳類|イタチ科
  • 日本を中心とするアジアに生息
  • 2012年に絶滅種認定
  • 生息環境の汚染、毛皮を求めた乱獲により絶滅

二ホンカワウソは、2012年に環境省によって絶滅種認定されました。住処の河川が汚染されたことによる生息地の減少、また毛皮を求めた人間が乱獲を行ったことにより絶滅。
 

10. ホオダレムクドリ

  • 鳥類|スズメ目
  • ニュージーランドに生息
  • 1907年絶滅
  • 生息地減少、外来種侵入、乱獲により絶滅

ホオダレムクドリは、農業に牧草地が切り拓かれたことによる生息地減少、ヨーロッパ人によるキツネやオコジョなどの外来種持ち込み、そして優美な羽根目的の乱獲によって絶滅しました。
 
いずれも人間が自然界に入り込むことによって絶滅してしまった動物たち。次に、絶滅動物になってしまう危機にある、絶滅危惧種に指定される動物をご紹介します。
 

絶滅危惧種に指定される意外な動物5選

キリンやコアラ、トナカイなど私たちにとって身近で、動物園などで親しまれている動物も絶滅危惧種に指定されているのです。
 
いまだ絶滅はしていないが、近い将来絶滅してしまうことが危ぶまれる動物(種)である絶滅危惧種。
 
例えば、キリンやトナカイの個体数は最近20年で40%近く減少しており、このまま進んでいくと野生絶滅してしまう日もそう遠くないと言われているほどです。
 
その他にも、絶滅危惧種に指定されている動物を5種ご紹介します。
 

1. クロサイ

草原を歩くクロサイ

  • 哺乳類|サイ科
  • 西アフリカに生息
  • 深刻な絶滅危機
  • サイ角のために乱獲されることにより減少

中国やベトナムなどで、ガンの克服薬や健康増進のための漢方薬として重宝されるサイの角。サイ角を求める業者による乱獲が、今でも行われています。
 

2. スマトラゾウ

絶滅危惧種のスマトラゾウ

  • 哺乳類|ゾウ科
  • インドネシアのスマトラ島に生息
  • 絶滅危惧種
  • 象牙の密輸のために乱獲

アジア地域に生息するゾウの中でも、もっとも深刻な絶滅の危機にさらされているのがスマトラゾウです。象牙は高値で売買されるため、密輸のために乱獲が行われてしまいます。
 
最近も、象牙を手に入れるために、頭部が切断された状態のスマトラゾウの死体が発見されるというショッキングなニュースがありました。
 

3. オカピ

絶滅危惧種のオカピ

  • 哺乳類|キリン科
  • コンゴ民主共和国に生息(ウガンダでは絶滅)
  • 絶滅危惧種
  • 環境破壊と密猟により減少

唯一、野生での生息が確認されるコンゴ民主共和国の環境が破壊されていることと、美しい毛皮を狙った密猟が行われていることが個体数減少の原因。「森のキリン」とも呼ばれるオカピは、過去18年間で個体数の半数を失ってしまっています。
 

4. ミツドリ

絶滅危惧種のミツドリ

  • 鳥類|ミツドリ科
  • ハワイ諸島に生息
  • 絶滅危惧種
  • 生息地の環境変容によって減少

ハワイミツスイ類には何種類かのミツドリが含まれますが、観光業が発展し、生息地の環境が変わってしまうことで、この10年間のなかで68〜94%もの個体数が減少してしまっています。
 

5. クロマグロ

絶滅危惧種のクロマグロの写真

  • 魚類|マグロ科
  • 大西洋、太平洋など海洋に生息
  • 絶滅危惧種
  • 乱獲による減少

日本人にとって身近な魚介類も絶滅の危機に。本来ならば、40年間は生きることができるクロマグロですが、乱獲によって個体数が96%も減少しています。
 
では、動物が絶滅してしまったり、絶滅の危機に置かれてしまったりする背景には何があるのでしょうか?
絶滅動物が増加している理由について、紐解いていきます。
 

人間の営みが自然界へ浸入することで動物は絶滅する

絶滅種が増加する理由として挙げられるのは、おもに以下の7つです。

  • 森林伐採や開発
  • 生息地の汚染
  • らん獲や密猟
  • 外来種の持ち込み
  • オゾン層の破壊
  • 酸性雨
  • 地球温暖化

では、それぞれの理由を確認していきましょう。
 

森林の伐採や開発

過剰な森林伐採や、森林地の開発が進行していることで、生き物の生息地が奪われてしまっています。
 
実は、1990年から2015年までの25年間で、南アフリカの面積と同じ規模の森林が消失。森林減少により、例えばインドネシアのスマトラ地域の、ブラジルのアマゾン流域の生き物が、驚くべきスピードで絶滅してしまっているのです。
 

生息地汚染

大農園から有害な農薬が、工場から化学物質が、自然界に流れ出すことで、生息地が汚染され、進行する生き物の脆弱化。
 
人間にとっては影響のない農薬でも、ある生き物にとっては猛毒となったり、適切に処理されずに流れ出す化学物質が河川を通じて生息地を汚染しています。
 

らん獲や密猟

ペットやはく製、生き物由来の素材である製品を作るために、乱穫や密漁が行われることも絶滅の重大な要因の1つです。
 
例えば、観光地で特産のお土産として、珍しい生き物であるがゆえ、絶滅種が使われたものが販売されていることがあります。
 
また、魚の生食が世界的に広がったことにより、加速しているのが魚のらん穫です。
 

外来種

他の地域から生き物を持ち込んでしまうと、元あった生態系が劇的に変化してしまう恐れがあります。
 
有名な事例が、ガラパゴス諸島による生態系破壊です。航海をしていた人類が、食糧とするための豚、ねずみ、犬を島に持ち込んだことにより、以前はいなかった天敵を島に増やしてしまいました。
 

オゾン層の破壊によって

現在、世界的にカエルが減少してしまっています。アメリカのオレゴン州立大学の研究は、カエルの激減理由をオゾン層破壊であるという研究結果を発表。
 
子孫を残すために産んだ卵に、紫外線Bという強い熱線が直接当たることによって、孵化を邪魔し、子孫の繁栄がはばかれてしまうことが理由です。
 

酸性雨によって

酸性雨は、主に水生動物に影響を与えています。酸性雨が振ることで、酸性化し、死の湖と化した湖や沼に住む生物が絶滅の危機に。
 

それだけではなく、酸性雨の影響で森林破壊が進むことも、生息地の崩壊につながるため、これもさらに生態系が崩れることを助長しています。
 

地球温暖化

地球温暖化による気候変動が進むことによって、生息地の環境変容が起こり、絶滅の危機にある生き物が急速に増加していることが現状です。
 
2020年に発生した、オーストラリアの森林火災が記憶に新しいのではないでしょうか。類を見ない大規模で長期的な森林火災が発生し、これにより生態系に影響が及ぼされました。
 
オーストラリア森林火災の主な要因は地球温暖化であり、気候変動がもたらす気温上昇と、土地の乾燥によって引き起こされました。
 

オーストラリア森林火災と生態系

推計10億以上の野生動物が命を落としたオーストラリアの森林火災(2020)。深刻な被害を受けた地域の1つである、カンガルー島では3分の1もの敷地が消失。
 
カンガルー島では生息するコアラの半分が犠牲になり、負傷した動物を含めると、なんと30億匹もの動物が、被害にあいました。
 
このように、地球温暖化を進行させてしまうことは、動物の個体数を減らしてしまい、生態系存続への脅威となってしまうリスクがあります。
 
自然界と人間の関わりの中には、絶滅動物を増加させてしまう恐れがあります。それでは、一体、私たちにはなにができるのでしょうか。
 

ひとりひとりができるアクション

将来的な絶滅種を減らせるように、私たちができることは動物の搾取がある商品は消費しない、森林や海洋を保護するマークがある商品を選ぶ、国際規約を知るといったことです。
 
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
 

動物実験が行われている化粧品を避ける(クルエルティーフリー)

化粧品の製造段階で、動物を使った実験が行われていることがあります。動物実験によって、過度に、不必要に、動物の命が搾取されているのです。
 
そのため、クルエルティーフリーと言う、動物実験のような残虐性の背景がない化粧品を選ぶことが、日常でできる消費のちょっとした変化のひとつとしてオススメ。
 
クルエルティーフリーに関する詳しい記事はこちら
 

珍しいからといって動物の一部が使われている特産品を買わない

象牙やサイ角、珍しい動物皮など、希少な動物由来の素材が使用されている商品を避けることも、種の乱獲を防ぐ方法の1つです。
 
観光地で、知らず知らずのうちに、希少な種が使用されたお土産を買ってしまっている可能性もあるので、注意と知識が必要になります。
 

FSC®認証がついている製品を購入

木材素材の製品で、持続可能な森林管理が行われているものについているFSC®︎認証マーク。FSC®︎認証マークがついている商品を選択することで、豊かな森林と、生き物のための生息地を守ることができます。
 
FSC®︎認証に関する詳しい記事はこちら
 

MSC®認証がついている製品を購入

持続可能で、豊かな海を守るためにつくられたMSC®︎認証は、海のエコラベルとも呼ばれるマーク。MSC®︎認証マークがついた商品を選ぶことで、特に海の環境を守ることができ、乱獲の防止にも努めることができます。
 
MSC®︎認証に関する詳しい記事はこちら。
 

外来種は持ち込まないようにする

絶滅種の絶滅理由でも度々ご説明したように、外来種が持ち込まれることで起こる生態系破壊を防ぐために、外来種を持ち込んで野生に放つことは避けましょう。
 

さいごに。人間だけでなく、動物にも優しい地球であるために。

食肉のため、土地開発のため、毛皮のため、特産品のため。人間の行動に振り回されながら、絶滅してしまった絶滅動物はたくさんいます。
 
消費者としては、一体どの動物が絶滅の危機に置かれているのか、知ることは難しいかもしれません。
 
しかし、自然界のSOSにアンテナを少しだけ高く張り、知らず知らずで絶滅動物が増加してしまうことを避けれるようなアクションをするだけで、絶滅動物の増加を食い止めることができます。
 
人間だけでなく、動物にも優しい地球、社会をめざすために、こちらの記事が少しでも気づきになれば幸いです。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

               
ライター:Ayaka Sato
Ethical Choiceのインターン。自分のアクションで、地球のどこかの誰かが幸せになってくれる、そんな未来を描いて日々奮闘中。
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