地球温暖化の対策は?本当の原因と未来への影響を解説

気候変動

環境問題を話す上では、避けては通れない地球温暖化。

最近の予想では、最悪の場合2100年には、地球温暖化によって4℃も気温が上昇するとも言われています。もし、4℃の上昇が現実になれば、地球は人類が安全に住める場所ではなくなると言われていて、その影響は計り知れません。

このように、深刻すぎる地球温暖化という問題に対して、改めて当記事では、地球温暖化の現状と、このまま問題を放置するとどうなるのかを解説します。

終わりには、この大きすぎる問題に対して、私たち1人ひとりができるアクションプランも提示していますので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

地球温暖化とは?

地球温暖化(英語:Global Warming)とは、その名の通り、地球の温度が徐々に上がっていることを指す、環境問題のことです。

地球温暖化は、独立した問題ではなく、副次的に様々な環境問題を引き起こしているため、最大の環境問題とも言われています。

地球温暖化は長い間、本当は起こってないのではないかという陰謀説や、長い期間で見た際に、自然の摂理で人類によるものではないという論調もありますが、その原因は何なのでしょうか?

地球温暖化の本当の原因とは?

最新の研究では、地球温暖化の本当の原因は、人間活動が原因である可能性ことが極めて高い(95%以上)と結論(1)付けられています。

要は、人類が生産活動などが原因で、大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などの温室効果ガスを、過去に類を見ない水準まで増えているということです。

実際に、1880~2012年において、世界平均気温は既に0.85℃上昇。予想では、今世紀末までには0.3~4.8℃の温度上昇が起こる可能性が高いとされています。

(1)気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書

地球温暖化のメカニズム

では、温室効果ガスはどのように、地球温暖化に寄与しているのでしょうか?

環境省が運営するCOOL CHOICEによれば、地球温暖化のメカニズムは以下の通り。

  1. 太陽からのエネルギーで地上が温まる
  2. 地上から放射される熱を温室効果ガスが吸収・再放射して大気が温まる
  3. 温室効果ガスの濃度が上がると
  4. 温室効果がこれまでより強くなり、地上の温度が上昇する
  5. これが地球温暖化

そもそも温室効果ガスが暖かいということではなく、温室効果ガスが空気の上部に蓄積され、太陽の熱を逃しきれないがために温暖化が起こるということです。

最大の温室効果ガスの排出産業は畜産業?

地球温暖化の原因は、人類が排出する温室効果ガスですが、果たして、どの産業がもっとも温室効果ガスを排出しているかを知っている方は少ないのではないでしょうか。

よく、排気ガスの問題で槍玉に挙げられる輸送業界か、もしくは石油を燃やしているイメージから、エネルギー業界だと思われがちです。

しかし、実は、世界最大の温室効果ガスの排出産業は、牛や豚などを生産する畜産業。

ワールドウォッチによれば、畜産業は、全温室効果ガスの排出量の51%にあたる量を排出しているとのこと。

過半数を超えているため、言うまでもありませんが、エネルギー産業や、飛行機などの輸送産業よりも遥かに多い量の温室効果ガスを畜産業は出しているのです。

地球温暖化の現状は?すでに予断を許さない状況

ここまで、地球温暖化とは何で、その原因とメカニズム、そして最大の温室効果ガス排出産業が畜産業だと言うことを見てきました。

地球温暖化が起こっているのは事実ですが、一体どれくらい深刻なのでしょうか。

IPCC第5次報告書によれば、1880年から2012年の期間に0.85℃上昇していているとのこと。

そして、このままのペースで地球温暖化が進むと、2100年には最大(RCP8.5のシナリオ)で、4.8℃の温度上昇があると見られています。

では、4.8℃の温度上昇が起きた場合、私たちの生活はどうなるのでしょうか。

 

4.8℃上昇の影響は計り知れない

地球温暖化の未来予測シミュレーション
地球温暖化と言うと、気温が上がるだけと思いがちの人も多いですが、それは気候変動を単純化しすぎで、実際には計り知れないほどのダメージを地球に、そして人類に与えます。

それも何万年も先の話ではなく、次の30年や80年、この記事を読んでいるあなたや、その子ども、そして孫の代の話です。

それでは、4.8℃の地球温暖化が生じた際に起こる、影響の本の一部を紹介していきます。

耐えられない熱波の発生

1980年以降、強烈な熱波の発生数は50倍になりました。

日本でも毎年、夏の気温が過去最高を毎年のように更新していたりと、その影響を感じている方も多いのではないでしょうか。

このまま地球温暖化が進むと、毎年の頻度で、2015年にインドで発生し、2000人以上の犠牲者を出したような熱波が発生すると言います。

参照:https://www.jma.go.jp/jma/press/1506/02a/world20150602.pdf

海面上昇で消えゆく大陸

もう1つ重要な問題は、海面上昇です。

海面上昇は、地球温暖化によって海水の熱膨張と、氷河が溶けることで、海面が上昇してくる現象ですが、2100年には、最大で0.82mから1.1mも海面が上昇すると予想されています。

そうなれば、海抜の低い国は高潮などで住めなくなりますし、インドネシアの首都ジャカルタは2050には海に沈むと言われています。

日本も例外ではなく、1mの海面上昇で、ビーチ9割が消えると言われてほどの影響がある想定です。

そして、何より、気候変動によって、ツバルのように自国が住めない環境になり、移住をせざるを得ない、環境難民の数は10億人だと予想されています。

広がる熱帯地域の感染症

地球温暖化によって、現在は熱帯地域でしか起こらないような高熱やマラリア、ライム病などの感染症が、各地で見られるようになります。

世界銀行の予測によれば、2030年には、36億人がマラリアの危険に晒されるとのことです。

個人が取れる対策は?私たちにできることを紹介

私たちにできること
先ほどは、地球温暖化によって、世界にもたらされる環境危機を少しだけ紹介しました。

問題が大きすぎて、無力感を感じた方もいるのではないでしょうか。

しかし、このような気候変動に関する抑止策を決める政治家選ぶのも私たちですし、消費活動によって、どの企業を応援するかを決めるのも私たちです。

要は、私たち1人ひとりの選択を変える、そんな地道なことでしか世界は変わらないと言うことでもあります。

ここでは、これからの消費や選択をする際の参考になるように、どのような行動が環境に対していいのか、地球温暖化を止めることに少しでも寄与するのかをご紹介いたします。

植物由来の食事を増やすこと

温室効果ガスの51%が畜産業からきているのであれば、まず行うべきは肉の消費量を減らすことです。

日本人は、欧米ほどの消費量ではありませんが、それでも牛肉1キロ当たりの生産に酸化炭素の20倍もの温室効果ガスであるメタンガスを16キロ排出すること、牛肉1キロの生産に2万リットルの水が使用されることを考えれば、積極的に避ける方が、環境保全の面では健全だと言えるでしょう。

また、牛肉だけではなく、豚肉、鶏肉、羊肉など、肉の全てが植物由来の食事よりも、環境負担が大きいものです。

私たち編集部も、ベジタリアンでもヴィーガンでもありませんので、肉を一切食べるなと言うつもりは毛頭ありませんが、月曜日は肉を食べないミートフリーマンデーや、たまにベジタリアンの日を作るフレキシタリアンを始めてみるのも環境に貢献していると言えます。

自然エネルギーを利用すること

日本においては、電力の8割が火力発電で、排出するCO2の約4割が電気の使用だと言われています。

そんな中、自然エネルギーに変えて、CO2を出さない暮らしをすることは多いに意義があると考えられます。

現在は、自然エネルギー100%で電力を提供しているハチドリ電力などもありますので、特に電力会社にこだわりがない方は、切り替えるのも、環境保全のための1つの手です。

プラスチックフリーを生活に取り入れること

石油を使って生成されるプラスチック。

海洋ゴミやマイクロプラスチックの問題からも、最近では、脱プラスチックが叫ばれています。

プラスチック使わない生活のことをプラスチックフリー生活と呼んだりもしますが、生産と廃棄の過程でCO2を出さないように、プラスチックフリーを生活の一部に取り入れることは手軽にできるアクションなので、おすすめいたします。

おわりに

当記事では、地球温暖化の現状と最新の予想、そして気候変動を止めるために私たちにできるアクションを解説してきましたが、いかがでしたか。

地球温暖化は、人類が起こした問題で、その影響は刻一刻と大きくなって私たちに迫っています。このままでは2100年に、地球は人類が住めない惑星になっている可能性もあります。

しかし、まだ時間は残されており、私たち1人ひとりのアクションによっては、4.8℃の上昇を止め、持続可能な環境を取り戻すことも可能です。

ぜひ、私1人の力なんかと思わずに、明日から少しずつアクションを起こしてみてください。

また、環境問題に対して、アクションを起こす人を増やすことが重要なのですが、アクションを起こすには、まず問題の存在や、問題の深刻さを知らないといけません。

アクションを増やす人を増やし、気候変動を止めるためにも、この記事が役に立ったと思われたなら、SNSなどでシェアしていただければ大変嬉しく思います。

それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの初代編集長。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることがミッション。

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