再生可能エネルギーを使用する電力会社5選 | 選ぶ際のポイントとは

気候変動

毎日の生活に欠かせない電気だからこそ、各電力会社の特徴を知ったうえで環境に優しい選択をしたいもの。
 
近年では、環境への影響が少ないとされる再生可能エネルギーで発電した電気を供給する電力会社が増えてきています。しかし、どのような点を基準にして選べば良いかよくわからない方もいるかもしれません。
 
この記事では、再生可能エネルギーによる電気を供給する電力会社5選をご紹介します。
 
実際に電力会社を選ぶ際のポイントも解説しますので、再生可能エネルギーを使用する電力会社への切り替えを検討している方はぜひご覧ください。
 

再生可能エネルギーとは?

 
電力会社をご紹介する前に、誤って認識されている場合もある「再生可能エネルギー」の意味を解説します。
 
再生可能エネルギーとは、非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められたエネルギーのこと。
 
「枯渇しない」「どこにでも存在する」「CO2を排出しない」の3つが再生可能エネルギーの主な特徴で、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスが例として挙げられます。
 
再生可能エネルギーと混同されがちなのが、自然エネルギーです。自然エネルギーとは、自然現象から得られるエネルギーのことで、太陽光・風力・地熱・水力が例として挙げられます。
 
自然エネルギーは再生可能エネルギーの一部、というのが正しい認識。たとえば、動植物に由来する森林の間伐材や、食品廃棄物などを原料としてつくられたバイオマスエネルギーを自然エネルギーと呼ぶのは、正しくありません。
 

再生可能エネルギーによる電気とFIT電気の違い

 
電力の小売自由化により、ライフスタイルや価値観に合わせて電力会社を自由に選べるようになった今、再生可能エネルギーを使用する電力会社を探していると「FIT制度」や「FIT電気」などの用語がよく出てきます。
 
FIT制度とは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のこと。太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスのいずれかで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が義務付ける制度です。
 
FIT制度を利用して電気事業者により買い取られた電気がFIT電気であり、私たちが日々利用している電気の一部としてFIT電気は供給されています。
 
そのため、再生可能エネルギーの買取に要した費用は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として、電気を使用するすべての人に毎月の電気料金と合わせて請求されているのです。
 
FIT電気を「再生可能エネルギー」と表記して、消費者に供給することはできません。ただ、再生可能エネルギーによる電気もFIT電気も、もとをたどれば再生可能エネルギーで発電していることに変わりないのです。
 
再生可能エネルギーによる電気とFIT電気の違いを正しく理解しておくことで、各電力会社の比較がしやすくなるため、整理しておきましょう。
 

再生可能エネルギーを使用する電力会社を選ぶ理由

 

 
再生可能エネルギーを使用する電力会社に切り替えれば、環境への影響を小さくできるのは想像がつきますが、実際には環境保全にどれほど貢献できるのでしょうか。
 
日本では、2030年に再エネ導入比率を22〜24%にすることを目標としています(1)。しかし、2017年時点の日本における発電電力量に占める再エネ導入比率は16.0%であり、目標に到達していません。
 
海外に目を向けると、カナダの再エネ導入比率は65.7%、ドイツは33.6%、イタリアは35.6%であり、先進国に比べて日本の再エネ導入比率は非常に低い状況です(2)
 
一方、発電電力量に占める比率がまだまだ高い石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料は、エネルギー生産時にCO2を発生させます。より身近な家庭に目を向けると、2019年度における家庭からのCO2排出源として最も多く割合を占めたのは、電力の45.1%でした(3)
 
そのため、CO2排出量を削減して環境保全に貢献するには、政府や企業だけでなく一般家庭の電気の使い方を改善することが重要です。
 
(1)出典:再生可能エネルギーの特徴
(2)出典:日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」
(3)出典:家庭からの二酸化炭素排出量(2019年度)
 

電力会社を選ぶ際のポイント

 

 
再生可能エネルギーを使用する電力会社を選ぶ際、「電力に占める再生可能エネルギーの割合」「発電所の運営による影響」「料金プラン」の3点を確認することをおすすめします。
 
これらを確認する必要がある理由について、順番に見ていきましょう。
 

電力に占める再生可能エネルギーの割合

 
再生可能エネルギーを使用する電力会社のなかには、再生可能エネルギー100%電力を供給している場合もあれば、電力の一部が再生可能エネルギーによるものである場合も。
 
環境保全への貢献度を考えると、できるだけ再生可能エネルギーの占める割合が多い、もしくは再生可能エネルギー100パーセントの電力会社を選びたい方もいるでしょう。
 
そのような場合、再生可能エネルギーやFIT電気、火力、原子力など、発電に使用するエネルギー源の割合を示す「電源構成」は、電力会社を選ぶ際の基準になります。電源構成は公表が必須ではありませんが、各電力会社のホームページで確認できる場合も多いです。
 

発電所の運営による影響

 
再生可能エネルギーの生産段階ではCO2を排出しませんが、発電所の運営により悪影響を与えている可能性も。
 
たとえば、発電所の建設に伴い大規模な森林伐採や土地改変をしたり、発電所の周辺住民の健康に悪影響を及ぼしていたりすると、安心・安全な電気を供給しているとはいえません。
 
電力会社を選ぶ際には、電気をつくるところだけでなく、電気をつくるための再生可能エネルギーを調達するところから私たちに電気が届くところまで、できるだけ総合的な情報を確認するとよいでしょう。
 

料金プラン

 
環境保全に貢献したい気持ちはあっても、やはり料金は気になるもの。電力の使用による環境への影響を考慮するあまり、満足のいかない料金プランを選んでしまうと、解約せざるを得なくなる可能性があります。
 
各電力会社の料金プランは様々で、再生可能エネルギー100%で発電する電力会社でも、石油・石炭・天然ガスによる電気を供給する電力会社より安い料金で済む場合も。市場価格に連動した料金プランを提供している電力会社もあります。
 
しっかりと納得したうえで継続的に利用するため、各電力会社の料金プランを比較しましょう。
 

太陽光・風力・水力などを使用する電力サービス5選

 

 
それでは、太陽光・風力・水力などの再生可能エネルギーによる電気を供給する5つの電力会社の特徴をご紹介します。
 
先ほど解説した電力会社を選ぶ際のポイントを参考にすると、メリットやデメリットの比較や、ご自身にとってのランキング付けがしやすくなるかもしれません。
 

みんな電力

 

出典:みんな電力公式サイト
 

  • FIT電気と再生可能エネルギーにこだわった2つのプラン
  • 環境破壊につながる開発をしていない

 
みんな電力は、電力の生産者がわかり、電力を届けるまでのストーリーを感じられる「顔の見える電力」を提供する電力会社。次の2つの料金プランを用意しています。
 

  • スタンダードプラン:再生可能エネルギーの発電所を応援しながら、価格も重視したい方向け。非化石証書使用なし。電源構成は、FIT電気60%、再エネ15%、その他25%
  • プレミアムプラン:再生可能エネルギー100%でCO2排出ゼロ。非化石証書使用なし。電源構成は、FIT電気60%、再生可能エネルギー40%

 
各プランで出てきた「非化石証書」とは何なのでしょうか。太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの化石燃料を使わない非化石電源には、電気そのものの価値に加え、CO2を排出しないという「環境価値」があります。
 
環境価値は目に見えるものではないため、証書という形で可視化して売買を可能にしたのが非化石証書であり、再生可能エネルギーによる電気の安定的な供給につながるとされています。
 
なお、各プランの新規申込受付は2021年9月29日に終了し、新しい料金プランでのサービス開始は2021年10月20日頃を予定しているとのことです。
 
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自然電力のでんき

 

出典:自然電力のでんき公式サイト

  • 非化石証書と組み合わせた3つのプラン
  • 電気料金の1%を新たな発電所の開発に投資

 
自然電力のでんきは、自然電力グループが保有する太陽光・風力・小水力発電所から、電気の一部を調達している電力会社。次の3つの料金プランを用意しています。
 

  • Leaf:再エネを使い始めたい方向けのプラン。CO2排出量を3%オフセットし、実質再エネ3%を実現
  • Tree:標準的な再エネプラン。CO2排出量を30%オフセットし、実質再エネ30%を実現
  • Forest:こだわりの再エネプラン。CO2排出量ゼロにこだわり、実質再エネ100%を実現

 
オフセットとは、どうしても削減できないCO2や温室効果ガスの排出量について、植林などの排出量削減活動に投資して埋め合わせをすること。カーボン・オフセットと呼ばれる場合も多くなっています。
 
自然電力の特徴は、再エネ100%を実現したプラン「Forest」以外において、オフセットを利用した電気を供給している点です。
 
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グリーナでんき

 

出典:グリーナでんき公式サイト
 

  • ライフスタイルに合わせた3つのプラン
  • CO2排出係数ゼロを実現

 
グリーナでんきは、日本で初めての100%自然エネルギーの電力プランを実現した電力会社(2017年グリーナでんき調べ)。次の3つの料金プランを用意しています。
 

  • GREENa RE100:地球の未来を考える方向け。FIT電気とグリーン電力証書を活用した100%自然エネルギーの電力プラン
  • GREENa スタンダード:地球の未来を考えながら、お得な電気代で利用したい方向け。FIT電気比率50%を計画値として供給。電気の供給1kWhあたりどれだけのCO2を排出しているかを示す「CO2排出係数」はゼロ
  • ナイト割プラン:東京電力・中部電力・関西電力の管轄内の夜間使用量が多い人向けに新設されたプラン

 
グリーナでんきの基本的な電気供給エリアは、東北電力・東京電力・中部電力・関西電力・中国電力・九州電力の管轄内ですが、ナイト割プランではエリアが限定されています。
 
プラン「GREENa RE100」で出てきた「グリーン電力証書」とは、再生可能エネルギーからつくられた電力が持つ価値を証書化したもの。
 
発電所を所有していない企業や自治体でも直接購入し、自然エネルギーの普及に貢献できるのがグリーン電力証書の特徴で、小売電気業者を通して購入する必要がある非化石証書とは異なります。
 
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ハチドリ電力

 

出典:ハチドリ電力公式サイト

  • 変動のない固定料金価格を採用した2つのプラン
  • 電気代の1%を新たな発電所の開発に投資
  • 電気代のもう1%でNPOなどの活動を支援

 
ハチドリ電力は、世界13カ国で社会問題に取り組む株式会社ボーダレス・ジャパンが、地球温暖化を解決するために始めた電力サービス。次の2つの料金プランを用意しています。
 

  • スタンダードプラン:一人暮らしから家族まで幅広いユーザー向け。時間帯にかかわらず電力料金が固定
  • オール電化プラン:エコキュートなどの夜間蓄熱式機器を使用しているユーザー向け。夜間の電力量料金が昼間より割安になる

 
ハチドリ電力は、非化石証書購入により実質的に自然エネルギー100%の電力供給を実現。大手電力会社より安く済む場合があるのも特徴です。
 
また、現時点でNPOなどの61団体が支援先として登録されており、公式サイトに掲載されている各団体の活動内容を参考にしながら、支援先をご自身で選択できます。
 
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Looopでんき

 

出典:Looopでんき公式サイト

  • 基本料金と解約手数料が0円の3つのプラン
  • 電源構成の一部がFIT電気と再生可能エネルギー

 
Looopでんきは、東日本大震災の被災地に太陽光発電を設置するボランティア活動から誕生した電力会社。次の3つの料金プランを用意しています。
 

  • おうちプラン:一人暮らしから家族まで幅広いユーザー向け。使用した電力量に応じて支払い
  • 北海道エリア限定。契約期間が経過するにつれ、従量料金(1kWhあたりの電力量料金単価)が低減する
  • スマートタイムプラン:オール電化住宅に住む方向け。春と秋の昼間の料金単価と、夜間の料金単価が安くなる

 
一部のユーザーに再生可能エネルギー100%のメニューを提供していますが、基本的には電源構成の一部がFIT電気と再生可能エネルギーとなっています。2020年度には、FIT電気と再生可能エネルギーを合わせて約30%となるよう計画して電力を供給していました。
 
大手電力会社よりも低価格で利用できる場合がある点も、Looopでんきの特徴です。
 
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上記の電力会社一覧のほかにも、再生エネルギーを使用する電力会社の例として、ENEOSでんきやミツウロコでんきなどがあります。
 

毎日使う電気だからこそ、環境に優しい選択を

 

 
再生可能エネルギーを使用する電力会社を選択することは、マイボトルやマイバッグを持ち歩くなどの簡単にできる取り組みと比べると、少しハードルが高く感じる方もいるでしょう。
 
しかし、家庭からのCO2排出量の多くの割合を占める電力の使い方を改善することで、環境保全への大きな貢献につながります。
 
「毎日使う電気だからこそ、十分に検討したうえで選択したい」と考える方のために、この記事が参考になれば幸いです。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

               
ライター:Yuka Hirose
ベトナムとカンボジアで行った教育関連の活動をきっかけに、国際協力や環境問題に興味を持つ。大学では化学を専攻し、バイオマスプラスチックについて研究。現在はライター・英日翻訳者として活動。
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