エシカルファッション|その服がどうやって作られているか、知ってますか?

エシカル

エシカルファッションとは、人や地球に優しいファッションのことを指す言葉で、近頃ではよく耳にする言葉になりました。
 
それ自体は良いことかも知れません。
 
しかし、考えてみれば不思議なもので、自分が着ている服がどこでどうやって、どんな人たちが、どんな環境で作っているのか知らないことは、私たち編集部を含め、服を着る身としては、これまでがあまりにも無責任だったのではないかと、とも思います。
 
本記事では、多くの人が知らないエシカルファッションが必要とされている理由や取り組み、そしてエシカルファッションが抱えている問題点に関しても見ていきます。
 
後半では、エシカルファッションに取り組むブランドや、私たち1人ひとりができるアクションも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
 

*私たち編集部はファッション業界にいたことはありませんし、生産者の労働環境を直接見たことはありません。あくまで、2020年9月時点で検証可能な事実を基に作成した記事であることをご了承いただければと思います。
 

エシカルファッションとは?

エシカルファッションとは、服に関わる生産者、コットンなどの原材料を生み出す地球を含む、サプライチェーンの全てに配慮されたファッションのことです。
 
エシカルファッションに推進団体である、EFJ(ETHICAL FASHION JAPAN)によれば、エシカルファッションは以下の9のやり方があるとしています。
 

FAIR TRADE
対等なパートナーシップに基づいた取引で、不当な労動と搾取をなくす。①認証を受けたフェアトレード、②十分な生活賃金や適切で働きやすい労働環境を確保する などが含まれる。

ORGANIC
有機栽培で生産された素材のこと。原則、製造全工程を通じて認証機関や国家が設けた厳格な基準と実地検査をクリアしたものを指す。

UPCYCLE&RECLAIM
捨てられるはずだったものを活用する。「Upcycle」とは質の向上を伴う再生利用のこと。「Reclaim」は、デッドストックの素材や在庫商品などを回収して利用すること。

SUSTAINABLE MATERIAL
環境負荷がより低い素材を活用すること。生地では特に、①天然素材、②エコな化学繊維、③リサイクル繊維、④エコ加工を取り入れることを指す。

CRAFTSMANSHIP
国内のものも海外のものも、伝統的な技術を取り入れ、文化を含めて未来へ伝える取り組みのこと。①伝統的な技術を取り入れる、②ヴィンテージ品の活用、③熟練の職人による製作を指す。

LOCAL MADE
「MADE IN ◯◯」のこと。地域に根ざしたものづくりで地域産業/産地を活性化させ、雇用の創出、技術の伝承と向上を目指す。

ANIMAL-FRIENDLY
ヴィーガン、またはなんらかのかたちで「Animal Rights(動物の権利)」「Animal Welfare(動物の福祉)」に配慮した製造を指す。

WASTE-LESS
ライフサイクル各段階の無駄を削減する。①カーボンフットプリントの削減、②3Dプリンティング技術、③ゼロ・ウェイスト・デザイン、④着用時のCO2を削減する取り組みなど。無駄が出る前に抑える、という点で「UPCYCLE&RECLAIM」とは区別する。

SOCIAL PROJECTS
①NPO/NGOへの寄付(物資・金銭)、②ビジネスモデルを生かしての支援・雇用創出 など、自社のリソースを生かした取り組みのこと。

引用:https://www.ethicalfashionjapan.com/about-ethical/

 
フェアトレードや、オーガニック素材はすぐに思い浮かぶエシカルファッションだと思いますが、それだけではなく、もっと広い範囲でエシカルファッションという概念があるということがおわかりいただけたかと思います。
 

世界がエシカルファッションに向かう背景

発覚したファストファッションによる搾取工場(スエットショップ)の実態
では、なぜエシカルファッションは近頃注目され、1つの潮流になりつつあるのでしょうか?
 
背景には、長らく大量生産・大量消費を繰り返してきた経済活動の歪みにあります。
 
「あなたの持っている服は時代遅れですよ」と毎年、毎シーズン語りかけてくるファッション業界。それに扇動され、買い替えたい私たち消費者。その消費者の需要に応えるべく、安く大量に服を生産するファッション業界。
 
このようにして、大量生産・大量消費のサイクルが回っています。
 
私たちが1000円などでTシャツを買う裏には、スウェットショップ(労働者を低賃金、劣悪な労働環境で働かせること)が世界の開発途上国で存在している事実があります。
 

そして起こったファッション史最大の悲劇、ラナプラザ崩落事故

エシカルファッションを語る上で避けて通れないのが、ラナプラザ崩落事故。
 
2013年4月24日に起こり、死者1,127人、行方不明者約500人、負傷者2,500人以上を出したファッション市場最悪の事故として知られています。
 
理由は、労働者の安全を無視した工場の違法増築。
 
建物に明らかな損傷があり、安全を確保できない状態で無理に操業したために、建物は崩壊し、中にいた多くの若い女性が犠牲になりました。中には妊婦の方もいたとのことです。
 
このような、劣悪な環境で服を製造している工場は、世界中にあります。
 
ラナプラザ崩壊事故をまとめた動画はこちらから
 

エシカルファッションにも問題点はある?

ここまで、エシカルファッションが何で、必要とされている背景を見てきました。
 
確かに、エシカルファッションは現状を良くする手段の1つになるかと思いますが、エシカルファッションを導入するだけで全て解決するわけではありません。
 
つまり、エシカルファッションの問題点と呼べるポイントがあるのは事実で、ここではその問題点に関して見ていこうと思います。
 

エシカルファッションはどうしても高くなる

フェアトレードで生産されていたり、オーガニックコットンを使用している衣類はどうしても手間がかかるものです。
 
もちろん上記のような生産方法だと規模の経済も効きにくいため、全体的に高くなってしまいます。
 

故に大衆に広まるとは限らない

高いファッションは人を選びます。
 
特に大量生産・大量消費に慣れてしまっている消費者の場合、従来の価値観を覆えしてエシカルファッションに手を出すにはハードルが高くなってしまうもの。
 
故に、エシカルファッションは、すぐに大衆に広まりにくいのではないかと考えられます。
 

エシカルでもデザインが伴わないと持続可能ではない

エシカルファッションというと、慈善事業で、デザインやクオリティには多少目をつむるものというイメージがあるのではないでしょうか?
 
しかし、そのようなエシカルファッションは、消費者が自己犠牲的になってしまって、持続可能ではありません。
 
エシカルファッションの真のあるべき姿は、クオリティが高く、デザイン性にも富んでいて、かつエシカル・サスティナブルな方法で作られている。そんな状態ではないと消費者に選ばれ続けません。
 
クオリティやデザイン性が優れているエシカルファッションも一部あるものの、一般に受け入れてもらい、選んでもらうには、全体的に改善しないといけないと考えれれます。
 

エシカルファッションブランド5選を紹介!

ここまでエシカルファッションの定義と、必要とされている背景、また現状のエシカルファッションが持つ問題点を見てきました。
 
少し重たい話もあったかと思いますが、読んでいただきありがとございます。
 
ここからは少し明るい話題に移って、実際にエシカルファッションに取り組んでいるブランドを5つ、紹介したいと思います。
 

Patagonia

エシカルファッションの代表格、パタゴニア
Patagoniaといえば、アウトドアブランドの雄とも言われるほど人気で、知らない方はいないのではないでしょうか。
 
コットン製品を全てオーガニックコットンへ切り替え、リジェネラティブ・オーガニック(RO)農法を取り入れ、サプライチェーンの工場に対してもフェアトレードを行っています。
 
今でこそ、リサイクルプラスチックを使った製品を作るブランドは多くなってきたものの、Patagoniaは1990年代から取り組んでいて、今も昔もエシカルファッションの代表的な存在です。
 

People Tree

People Treeは、フェアトレードのアパレルや食品に焦点を当てたブランドです。
 
貧困地域や、社会的に弱い立場にある人たちを支援する団体を通じて、衣類や食べ物を作っていて、そうやって雇用を創出することで、少しでも金銭的に支援しています。
 
フェアトレードといえばPeople Treeというくらい、有名なエシカルファッションブランドです。
 

ECOALF

ECOALFは海で回収したリサイクルマテリアルなどを利用した服作りに取り組むアパレルブランド。
 
『Because there is no planet B(第2の地球はないのだから)』を掲げ、エシカル・サスティナブルでありながら、機能的でスタイリッシュなファッションを提案しています。
 
2020年は、9/19日のワールド・クリーンアップ・デーに清掃活動イベントを行うなど、自らアクションを起こすブランドとしても知られています。

 

バーンロムサイ

バーンロムサイはタイのチェンマイで活動を行うNPO団体が展開するアパレルブランド。
 
HIVに母子感染した孤児たちの生活施設を運営している団体で、少数民族女性やHIV感染女性が働く場を、服作りを通して提供しています。また、販売利益は孤児院の運営費として寄付されています。
 
日本では鎌倉に唯一の実店舗がありますので、機会がある方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
 

Nudie Jeans

Nudie Jeansは、サスティナブルな方法でジーンズを生産・販売しているブランドです。
 
認証を受けたオーガニックコットンを使用し、製造においても化学物質を極力使わず、自然エネルギーで生産されています。製造工場もフェアトレードを実践し、労働環境が整っている工場とのみ契約。
 
加えて、リペア(修理)も行っていて、長く履き続けるための体制も整えている、今注目のエシカルファッションブランドです。

 

私たちにできること

上記では、エシカルファッションに取り組むブランドを紹介してきましたが、実はファッションと向き合う上で、もっともエシカルなのは新しい洋服を買うことではありません。
 
例え、エシカルファッションブランドであってもです。
 
現に、Patagonia創始者のイヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)は、以下のように述べています。
 

「賢い消費者、善良な市民として責任ある行動をしたいと思うなら、一番いいのは古着を買うことだ。」

引用:著書『社員をサーフィンに行かせよう』

 
Tシャツ一枚をつくるのに2,700リットルの水が使われていることを考えると、古着は新しく資源を使っていないため、環境負荷の観点からいうとエシカルです。
 
では、私たち消費者として、エシカルにファッションを楽しむためには、他に何ができるでしょうか?
 

長く使えるものを購入する

環境負担を減らすために新しいものを買わずに、今ある洋服を長く着ることは立派なエシカルファッションの取り組みだと言えます。
 
新しく買う際には、「この服は10年着れるのか」「今年だけ着て捨てるようなものではないか」を自問自答することをおすすめいたします。そうすれば、自ずと衝動買いすることも減ります。
 
また、長く使うために、そのブランドは修理をする体制が整っているかもチェックすると良いでしょう。そのようなブランドは、他の分野でもサスティナビリティに取り組んでいる可能性が高いです。
 
買い物は投票という言葉があるように、そういったブランドに貴重な一票を投じることは、“>エシカル消費に繋がり、より良い未来を残すことに繋がります。
 

ファストファッションはできれば避ける

ファストファッションが良くないと言っている訳ではないのは、先に述べさせてください。もちろん人によっては、ファストファッションのアイテムも長く使っている方もいることでしょう。
 
でも、ここでファストファッションを上げたのには理由があります。
 
それは、中古市場で評価されずに、循環させることができないため。多くのファストファッションの服は、リサイクルショップや古着屋に持っていっても、引き取ってくれません。
 
それは、雑巾として使うとかのダウンサイクルしかできないことを意味します。環境負荷の観点で考えると、あまりいいこととは言えないでしょう。
 
ここで改めて強調したいのは、別に高いブランド品が良いと言っている訳ではないと言うことです。
 
それでも、せっかくファッションを楽しむなら、自分が着れなくなっても、誰かにまた楽しんでもらえる洋服を買うのがいいのではないかと、私たちは考えています。
 

素材や製造過程にもこだわる

エシカルファッションを楽しむ場合、製造の方法や素材も重要なポイントです。
 
コットン製品ならオーガニックコットンか、製造の段階で大量に水を消費していないか、自然電力を使用しているかなど、チェックしてみましょう。
 
また、工場などのサプライチェーンも把握していて、製造者の労働環境に対しても、責任をとる姿勢があるかも1つのポイントです。
 

さいごに

当記事では、エシカルファッションに関して解説してきましたが、いかがでしたか?
 
繰り返しになりますが、私たち編集部はファッション業界にいる訳ではありませんし、実情は本文で紹介したものとは違う可能性もあります。しかし、検証可能なリソースを参照した情報なので、大幅に間違っていることはないかと思います。
 
最後に皆さんにお伝えしたいことは、日頃の購買の裏側にある、ストーリーにも目を向けることの重要性です。
 
私たちが安い金額で衣類を購入できる裏側には、搾取労働や大量に資源を消費しているなどの問題があります。
 
ファッションに限らず、何か購入する際には、その裏側に何があるのか、少しずつでも目を向けるきっかけに本記事がなれば幸いです。
 
それでは、長くて少し重たい記事だったかと思いますが、最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
 

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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