ソーシャルグッド|日常に取り入れやすい社会貢献、ソーシャルグッドとは?

エシカル

近年、アメリカやヨーロッパを中心として、ソーシャルグッドな取り組みを行う企業が注目されていることをご存知でしょうか?
 
「社会に良いこと」という意味のソーシャルグッドは、ハードルが低く、毎日に取り入れやすい社会貢献として、世界に広がりを見せています。
 
SDGsが国連で採択されたことにより、多様性を受け入れ、持続可能な社会を目指す風潮が強くなってきた社会だからこそ、必要とされるソーシャルグッド。
 
こちらは、ソーシャルグッドに関する知識はもちろん、ソーシャルグッドを行っている事業例、そしてあなたができるソーシャルグッドまで知ることができる記事です。ぜひ、最後まで読んでいただければと思います。
 

ソーシャルグッドとは?

ソーシャルグッド(英語:Social Good)とは、環境やコミュニティなど、「社会」や「世界」に対して良い影響を与える活動や製品、サービスを表す言葉です。
 
例えば、サービスや商品を通じて、発展途上国の子どもたちへ教育を提供したり、水不足に苦しむ地域に井戸を建設したり、ハンデキャップをもつ人の雇用を増やしたりする活動は、ソーシャルグッドと呼ばれます。
 
ボランティアだけでなく、企業のサービスやビジネスとして成り立っているのがソーシャルグッドの特徴です。ソーシャルグッドという考え方は、アメリカやヨーロッパなどの欧米を中心に、世界に広がりを見せています。
 

ソーシャルグッドは国際社会に広がっている

近年、ソーシャルグッドであるサービスや、ソーシャルグッドなメッセージ性をもつ広告などは、世界的に支持を集めています。
 
ソーシャルグッドの影響力は、国際的な広告の大会であるカンヌ・ライオンズで数多くのソーシャルグッドなメッセージ性を持っている作品が受賞されるほど。また、SNSを通してソーシャルグッドな取り組みが流行した例もあります。
 
こちらでは、国際社会で注目されるソーシャルグッドについて、具体的な例を挙げてご説明します。
 

国際的なPR大会でも注目されるソーシャルグッド

近年、カンヌ・ライオンズでは、社会課題を解決に向かわせる洞察を与える作品や、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール達成を目指した作品の多くが受賞しています。
 
カンヌ・ライオンズ(英語:Cannes Lions)とは、世界最大級の広告賞であり、カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルで授与される賞です。
 
そんな名誉ある賞を受賞する作品のうち、ジェンダー格差や多様性、環境問題など社会課題解決へのメッセージを含んだ作品が増えてきているんです。
 

2018グランプリ「ゴミ諸島」

ゴミ諸島-trash islesの写真※https://www.ladbiblegroup.com/casestudy/trash-isles/を参照
例えば、2018年にグランプリを受賞したPR動画作品は「ゴミ諸島」という題名で、海洋環境保護にアプローチした作品
 
「ゴミ諸島」は、フランスの国土と同じ程度まで膨らんでしまった、海洋ゴミ問題へ人々の注目を集めるために行われたキャンペーンでした。
 
もはや、フランス程度の面積があるのならば、正式に「ゴミ諸島(英語:The Trash Isles)」として、国を設立し国連に加盟しようという考えによるもの。
 
なんと世界の5億人以上にリーチしたというこの企画。社会課題の斬新な切り口からアプローチし、海洋環境問題に対する関心を引くことに成功したのが「ゴミ諸島」のPRです。
 

海外でソーシャルグッドな取り組みが流行した例

アイスバケツチャレンジは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病の認知度を世界的に上げ、特効薬の開発を目指すためにFacebookを通して行われた、ソーシャルグッドな社会的取り組みです。
 
ウィキペディアによると、世界中の2800万人以上のFacebookユーザーを巻き込んだ活動で、たった3週間で1330万ドル(約14億円)もの額が米ALS協会へ募金額されました。これは、前年の同時期と比較して約400倍だそう。
 
現代のSNSというツールとソーシャルグッドな側面をかけ合わせたアイスバケツチャレンジは、社会へ大きなインパクトを与えることに成功しました。
 

なぜソーシャルグッドは注目される?

近年、全世界へと広がりつつあるソーシャルグッドという概念。
 
ソーシャルグッドという概念を、サービスや商品に導入することが重要視されるようになった背景には、SDGs(持続可能な開発目標)が国連で採択されたことと、次世代ブランディングとしてソーシャルグッドが注目されるようになったことが挙げられます。
 

持続可能で多様な社会が求められる

SDGs(持続可能な開発目標)が国連で2015年に採択されたことにより、サスティナビリティ(持続可能性)やエシカル(倫理性)が社会において注目され始め、それによってソーシャルグッドという概念も広がりました。
 
SDGsに関連したソーシャルグッドに、取り組む企業が増えたのも、ESG投資という社会的貢献を行う企業が優先して受けられる投資の仕組みが登場したからです。
 
また、企業がサステイナブルでエシカルなサービスや製品を提供し、消費者にとって日常に取り入れやすい社会貢献として、ソーシャルグッドなモノやコトを消費する傾向が広がりました。
 
持続可能で、誰一人も取り残さない包括的(インクルーシブ)な社会に向けた動きが、ソーシャルグッドを広げていった理由の1つです。
 

次世代ブランディングとしてのソーシャルグッド

企業にとって、ソーシャルグッドである側面をPRしていくことは、次世代のマーケティングになりつつあります。
 
商品やサービス云々よりも、それぞれがもつストーリーや企業のパーパスが求められる現代。企業のパーパスを発信したり、自社のサービスにソーシャルグッドなストーリー性を持たせるたりすることが、ブランディングになる現代。
 
また、アメリカのZ世代(18歳~23歳のデジタルネイティブ世代)は、似たようなブランドと製品と比較したとき、ソーシャルグッドな背景があるサービスや商品を選ぶと67%が回答(1)しています。
 
デザインや戦略、ロイヤリティなどブランディングのさまざまな要素に、社会貢献性という側面が加わり、ブランディングを盛り上げる鍵になっているソーシャルグッド。
 
まさに、モノ消費からコト消費への転換期だからこそ、ソーシャルグッドが注目されているのです。
 
では、具体的にはどのような企業の取り組みが挙げられるのでしょうか?まず、海外企業の事例からご紹介します。
 
(1)Dosomething(https://medium.com/dosomethingstrategic/dollars-change-young-people-tap-brands-as-agents-of-social-change-2612b717e5f7/
 

ソーシャルグッドな海外企業の取り組み

ソーシャルグッドなサービスのパイオニアである、いくつかの海外企業による取り組みをご紹介します。特徴としては、自社のサービスと社会的貢献が結びついていて、一貫性があることです。
 
では、1つずつ見ていきましょう。

LinkedIn

リンクドイン-linkedinの画像
キャリア支援のプラットフォームとしておなじみのLinkedInは、ウェルカム・タレントという難民の就業支援サービスを提供しています。
 
母国を離れた難民にとって、見知らぬ土地で職を1から探すことは大きな負担であるため、LinkedInが提供するソーシャルグッドな取り組みを始めました。
 
難民を積極的に受け入れるEU国の1つ、スウェーデンにおける取り組みを例に挙げると、LinkedInのデータベースを活用することで、難民の就業機会を上げようという取り組みが行われています。
 
ウェルカム・タレントに参加する方法は、LinkedInの検索ページで#welcometalentと検索するだけという簡単なもの。難民の自立支援を、自社ならではのサービスでサポートしているソーシャルグッドなサービス事例です。
 

Airbnb

airbnb-エアビーの画像
空き部屋を貸したいホストと、宿泊する部屋を探しているゲストをつなぐサービスであるAirbnbは、Airbnbオープンホームというサービスを提供。
 
オープンホームというサービスは、善意あるホストが、難民や、災害被害にあって住む場所を失ってしまったゲストを一時的に無償で受け入れるというソーシャルグッドなサービスです。
 
NPOとタッグを組んでAirbnbが取り組むこのサービスによって、通算50,000人を超えるゲストが休める場所を見つけることができています。
 
Airbnbが従来提供するサービスに、スパイスを加えた形で社会に貢献している例です。
 

パタゴニア

CSRの権化であるパタゴニア
アウトドア・アパレルメーカーであるパタゴニアは、「新品よりもずっといい」をテーマに、新しい商品を買う前に使っている商品を修繕して、長く使うことを促すWorn Wearというサービスを提供しています。
 
衣類の寿命が、9か月伸びるだけで炭素排出量と水の使用、そして廃棄物のフットプリント(url)を20%~30%も削減できるそう。パタゴニアはより多くの人が長く1つの衣服を使えるように、自社製品の修繕活動をしています。
 
自宅でも気軽に修繕ができる、簡単な方法をホームページで公開していたり、できるだけ安い価格で修繕を承っています。
 
アパレルを長く使い続けることが、気候改善のアクションになるというメッセージを伝え続けているソーシャルグッドな企業です。
 

ソーシャルグッドな日本企業の事例

最近、日本においても、ソーシャルグッドなサービスを提供する企業が増えてきています。海外に比べ、難民などの問題の色は濃くないものの、ハンデキャップを持つ方や、ホームレスの方々が取り残されてしまう社会であるのが現状。
 
そんな社会的課題にアプローチしているソーシャルグッドな企業についてご紹介します。
 

SOCIAL GOOD ROASTERS

ハンデキャップがある人々を雇用するsocial good roasters※https://sgroasters.jp/を参照
東京都神保町にあるソーシャルグッドロースターズは、ハンデキャップがあるバリスタや焙煎士が活き活きと働く焙煎所です。
 
「珈琲と福祉」を組み合わせ、美味しいコーヒーで人の気持ちを幸せに、福祉によって人の働く喜びを生み出している、ソーシャルグッドな焙煎所です。
 
NPOが運営するソーシャルグッドロースターズでは、経費をのぞいた利益のすべてがハンデキャップを持つ従業員の給与として還元されています。
 
コーヒーを媒体に、従業員には社会での存在意義を提供し、カスタマーにはほっと一息つける時間を与えている、そんなソーシャルグッドな例です。
 

BIG ISSUE

チャリティではなく、チャンスを提供する事業であるTHE BIG ISSUEは、ホームレスの方々の自立支援を応援するソーシャルグッドなサービスです。
 
1冊450円のビッグイシューという雑誌を販売することで、半額以上の230円がホームレスの方の収入になります。ビッグイシューを販売することで、路上生活から立ち直った人は150人以上いるそう。
 
自らの手でやり直そうと奮闘する方を支援できる、ソーシャルグッドなサービスがビッグイシューです。
 

コラム
Ethical Picks
また、当メディアであるEthical Choiceは、Ethical Picksというページでソーシャルグッドなサービスや商品を提供する企業の方々へ行ったインタビューを掲載しています。

 
ここまで、企業が行うソーシャルグッドなサービスに焦点を当ててご紹介しましたが、個人のアクションでもソーシャルグッドにつながることはたくさんあるんです。
 
最後に、私たちにもできるソーシャルグッドについてご説明します。
 

私たちも気軽にできる社会貢献、ソーシャルグッド

私たちができるソーシャルグッドには、知る、消費する、支援するというアクションがあります。それぞれを見ていきましょう。
 

ソーシャルグッドな話題に関心を持つ

先ほどもご説明したように、ソーシャルグッドなメッセージ性を含む広告やメディアが増えてきている中で、それらのメッセージに関心を持って、社会課題を知るということが、私たちにできる最もベーシックなソーシャルグッドなことです。
 
多様性、難民問題、ジェンダー格差、貧困問題、環境問題など、見過ごされてしまいがちな社会問題に触れる人が増えるということ自体が、社会への貢献なのです。
 

ソーシャルグッドな企業から消費するようにする

ソーシャルグッドなサービスや商品を提供している企業から積極的に消費することも、私たちにできるアクションです。
 
同じような商品やサービスを扱うブランドであるならば、ソーシャルグッドな背景を持つ方を選ぶという消費者の選択肢が増えていくことで、ソーシャルグッドな企業が増えていく動機にもなります。
 
先ほどご紹介したような企業から、サービスや商品などを消費してみるのはいかがでしょうか?
 

ソーシャルグッドな取り組みを支援する

近頃、ソーシャルグッドな取り組みを直接支援できるプラットフォームが増えてきています。グッドモーニング(Good Morning)はソーシャルグッドを支援できるプラットフォームの1つ。
 
グッドモーニングとは、クラウドファンディングという寄付型の仕組みを使い、プロジェクト進行に必要な資金を募るサイトです。グッドモーニングにて、ソーシャルグッドというカテゴリーで検索し、自分が支援したいプロジェクトを選んで直接応援することができます。
 
ソーシャルグッドについて知ることも、ソーシャルグッドなモノやコトを消費することも、さらには直接応援することも、全てソーシャルグッドなアクションです。
 
身近で気軽なアクションから、ぜひ始めていただければと思います!
 

さいごに。ソーシャルグッドな社会はみんなの理解でつくられる。

こちらの記事では、社会に良いインパクトを与えるという意味であるソーシャルグッドについてから、どうしてソーシャルグッドが流行しているのか、ソーシャルグッドな企業事例までご紹介しました。
 
企業のソーシャルグッドな取り組みと、それに対する社会全体の理解、これら両方がソーシャルグッドを盛り上げるためには必要となります。
 
少しずつでも、ソーシャルグッドなモノやコトが増えていけば、社会がまさに「良い社会」に近づいていくでしょう。
 
当記事を読んでいただいたみなさんの、ソーシャルグッドに対する興味が高まっていれば幸いです。それでは、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

               
ライター:Ayaka Sato
Ethical Choiceのインターン。自分のアクションで、地球のどこかの誰かが幸せになってくれる、そんな未来を描いて日々奮闘中。
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