フェアトレードとは?ただの慈善活動ではない、その本質を解説。

フェアトレード

フェアトレード(公正取引)とは、開発途上国で作られた製品を適正な価格で購入することで、生産者を経済的に支援し、持続可能な成長を目指す貿易の仕組みです。開発途上国における労働者の貧困問題をはじめとする様々な問題を解決する可能性を持っています。
 
この記事では、フェアトレードの必要性や、その基準、またその認証マークを解説。そして後半では、実際にフェアトレードでどのような商品が取引されているのかもご紹介いたします。
 
今まで知らなかった世界の現実を知ることになるかも知れませんが、フェアトレードに関心を持った皆さんが、この記事を通して何かを感じていただければ幸いです。
 

フェアトレードとは?

先程もあったように、フェアトレードとは開発途上国で作られた製品を適正価格で購入することで、開発途上国の人々の生活を経済的に支援するための貿易の仕組みです。
 
正当な賃金を支払うことで、開発途上国の労働者の生活水準が保証され、より持続可能な社会になるための取り組みだとも言えます。
 

フェアトレードの広がり

フェアトレードは世界を始め日本でも広がりを見せています。
 
Fair Trade JAPANによると、2016年時点で フェアトレードの市場規模は、 113億6千万円。 これは前年比で、13%も成長しています。
 

なぜフェアトレードが必要か?

では、そもそもなぜフェアトレードという仕組みが必要なのでしょうか?それは、開発途上国では、先進国に住む人たちが安く商品を購入できるように、適正に賃金が支払われず、搾取に近い環境で労働している人が多くいるためです。
 
また、その過程では生産性を上げるために、必要以上の農薬が使用されて、環境に悪影響を与えたり、生産者自身の健康を害することも少ないありません。
 
ここでは、適正な賃金を支払いため以外にも、フェアトレードが必要な理由を深堀りたいと思います。
 

開発途上国では児童労働が常態化?

児童労働のイメージ
開発途上国では、先進国の製品を安く作るのに、児童労働が常態化しているケースが少なくありません。労働者に適正な賃金が払われないということは、生活をしていくためのお金が足りないということ。そして経済的な不足分を補いために、児童が働かざるを得ないのです。
 
そのように若くして働き始めるということは、教育が受けられず、収入の高い職につきづらいことを意味します。それによってその子の世代も収入が増えないという、貧困の再生産を生み出します。
 
そのような搾取の環境から労働者を開放し、また出来るだけ環境や健康にも配慮した生産ができ、児童労働も発生させないためにも、フェアトレードの仕組みが重要なのです。
 

フェアトレードとSDGs

SDGsとは、国連サミットで採択された持続可能な開発目標のことで、17の目標と169のターゲットから構成されます。フェアトレードを推進することで、解決できる目標をあげたいと思います。

(目標1)貧困をなくそう

生産者に適正な賃金が支払われて貧困が減ります。
 

(目標2)飢餓をゼロに

貧困が減ることで、必然的に飢餓も減ります。
 

(目標4)質の高い教育をみんなに

児童労働が減ることで、教育の機会が与えられます。
 

(目標8)働きがいも経済成長も

労働者に対する搾取がなくなることで、働きがいをもって仕事に取り組めます。
 

(目標10)人や国の不平等をなくそう

フェアトレードが進めば、開発途上国の経済も発展し、人と国の格差が少し縮まります。
 

(目標12)つくる責任 つかう責任

フェアトレードは持続可能な生産を促します。また、フェアトレード商品を購入することは持続可能な社会を推進し、つかう責任を全うします。
 
このように、フェアトレードはSDGsと密接な関係にあります。SDGsは2030年までに全世界で達成したい取り組みなので、様々な問題を一挙に解決するフェアトレードは必要不可欠と言えるでしょう。
 

ただの慈善行為ではない。フェアトレードが与えるポジティブな影響とは?

オーガニックコットンのイメージ
ここまで、フェアトレードとは何か、またなぜ必要とされているかを解説してきました。
 
これだけ見ると、開発途上国を支援するための慈善行為のような印象を受けた方もいるかも知れません。しかし、フェアトレードを推進することは、質が良くなくても割高な商品を購入し、人助けをする仕組みではなく、実は消費者にとっても非常に魅力的な選択です。
 
例えば、フェアトレードによって適正な賃金が支払われれば、安くて大量生産できる農薬をつかうのではなく、オーガニック(有機)に切り替えることもできます。そうすれば、オーガニックコットンなどで作られた質の高い服がより市場に出て、消費者に届くようになります。
 
また近年では、質もデザイン性も高いファッションや工芸品も多く存在するのです。そのような商品が売れれば、生産者の元に利益が還元され、より良い商品をつくる原動力となります。
 
慈善による支援は長くは続きにくいですが、このように本当に必要とされる良い商品をつくることで、生産者も消費者もwin-winの関係になるのが、フェアトレードの真の姿なのです。
 

フェアトレードの証!2つの認証ラベルを紹介

では、フェアトレードはどのように判断すれば良いのでしょうか?
 
実はフェアトレードには正式な団体から認められた認証マークが存在します。認証マークがあれば、消費者も購入時に判断がつきますよね。ここでは、フェアトレードだとわかる認証マークを紹介します。
 

国際フェアトレード認証ラベル

1つはフェアトレードインターナショナル発行する認証ラベル。フェアトレードおける「経済」「社会」「環境」の3つの基準を満たした製品につけられます。
 

経済的基準

  • フェアトレード最低価格の保証
  • フェアトレード・プレミアムの支払い
  • 長期的な取引の促進
  • 必要に応じた前払いの保証など

社会的基準

  • 安全な労働環境
  • 民主的な運営
  • 差別の禁止
  • 児童労働・強制労働の禁止など

環境的基準

  • 農薬・薬品の使用削減と適正使用
  • 有機栽培の奨励
  • 土壌・水源・生物多様性の保全
  • 遺伝子組み換え品の禁止など

フェアトレードの基準(FI)より

WFTO保証ラベル

WFTO保証ラベルは、WFTO(世界フェアトレード連盟)が定めるフェアトレードの基準を満たした製品に付けられるマークです。
 
WFTOが定める下記の「フェアトレード10の指針」が原材料から生産まで守られていることを保証しています。
 

フェアトレードの10の指針(10 Principles of Fair Trade)
1. 生産者に仕事の機会を提供する
2. 事業の透明性を保つ
3. 公正な取引を実践する
4. 生産者に公正な対価を支払う
5. 児童労働および強制労働を排除する
6. 差別をせず、男女平等と結社の自由を守る
7. 安全で健康的な労働条件を守る
8. 生産者のキャパシティ・ビルディングを支援する
9. フェアトレードを推進する
10. 環境に配慮する

 
日本では、ピープルツリーがWFTOに所属する団体として有名です。
 

ラベルがない場合でも

上記の2つが国際的に広く知られているラベルですが、これらの認証がついていないフェアトレードの商品もあります。
 
認証ラベルがついていない理由としては2つあって、1つは認証を受けるのにコストがかかること。もう1つは、フェアトレードなのは当たり前だというスタンスからわざわざ認証を受けないパターンもあります。
 
そのような商品の生産過程がフェアトレードなのは、Webサイトを見れば明らかな場合もありますし、お店の人に聞いてみればわかるケースもあります。
 
認証がないからフェアトレードではないと判断するのではなく、自分から積極的に情報を取得していくことも重要だと言えるでしょう。

 

フェアトレードの商品

フェアトレードファッション
ではフェアトレードではどのような商品が取り扱われているのでしょうか。ここでは主に世界中で取引されているフェアトレード商品をジャンルごとにご紹介いたします。
 

食品

 

  • コーヒー
  • 紅茶
  • カカオ
  • スパイス・ハーブ
  • 果物
  • 蜂蜜
  • ワイン
  • ナッツ類

 

ファッション・雑貨

  • 衣類
  • アクセサリー
  • クラフト工芸品

 

その他

 

  • サッカーボール
  • コットン
  • 化粧品

 

消費者としてできること

この記事ではフェアトレードに関して解説してきましたが、いかがでしたか。
 
フェアトレードは単なる慈善活動ではなく、適切な賃金が支払われることで、環境保全や品質の向上にも取り組め、 生産者も消費者もwin-winになれる取り組みです。この事実を知ったことをきっかけに、 どっちの商品を買おうか迷った時は、フェアトレードの商品を積極的に購入してみるのはいかがでしょうか。
 
また当サイトでは、フェアトレードの商品もご紹介していく予定です。ご興味をもたれた方は、こちらも見ていただけると幸いです。
 
それでは最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。
 

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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