地球にも人にも優しい、オーガニックコットンの特徴をわかりやすく解説!

オーガニック

洋服やタオル、寝具等、様々な製品で使われているオーガニックコットン。町中で目にすることも多くなり、身近な素材になりつつあります。
 
肌に優しい、気持ちが良いといったイメージはあるかと思いますが、普通のコットンとオーガニックコットンの違いや、オーガニックコットンの本当の良さを知っている方は少ないかと思います。
 
そこで、本記事ではオーガニックコットンとは何か、その良さは何かをわかりやすくお伝えします。
 

オーガニックコットンとは?

オーガニックコットンは、オーガニック農業規格に準拠し認定された農地で、有機栽培により育てられた綿花から作られたコットン(綿)です。
 
有機栽培は、土、水、太陽、そして自然の肥料を使った植物の栽培方法です。
 
人工的な化学成分の入った農薬や肥料、遺伝子組み換え生物を使用しないことがオーガニック農業規格認定の基準に厳格に定められています。
 

オーガニックコットンと普通のコットンの3つの違いとは?

普通のコットンとオーガニックコットンの大きな違いは、栽培する目的と栽培、そして収穫方法です。
 

栽培の目的

普通のコットン
一般的なコットンは、とにかく安く、大量にコットンを生産することが目的です。そのため、効率よくコットンを育てて収穫できる方法を取ります。
 
オーガニックコットン
オーガニックコットンは、生産者と地球環境に優しいコットンを生産することが目的です。自然の力を活用した方法を採用します。
 

栽培方法

普通のコットン
綿花を植える土壌に化学肥料を混ぜて、コットンが育ちやすいようにします。
 
また、植える前に綿花の種にも防虫剤を散布した上に、栽培中も害虫駆除のための殺虫剤を大量に撒きます。
 
周りの雑草が増えると、土の栄養を雑草に奪われないために、今度は除草剤を撒くのです。
綿花の農地は、地球全土の農地のうちの1%程に過ぎませんが、世界の殺虫剤使用量の16%と農薬の7%が綿花栽培に使用されているとも言われています。
 
オーガニックコットン
オーガニックコットンは、化学肥料や化学成分の入った農薬を使いません。動物の糞尿等の有機物を肥料にして土壌を肥やします。
 
害虫を防ぐためには、てんとう虫などの害虫を駆除してくれる益虫の力を借ります。雑草は、除草剤に頼らず、人の手で刈り取ります。
 

収穫方法

普通のコットン
コットンの収穫時期には、まだ葉っぱがたくさん付いている状態です。葉っぱのゴミが付くと、コットンに色がついたり、いっぺんに収穫しづらくなってしまいます。
 
そこで、一般的なコットンは真っ白のコットンを効率よく収穫するために、枯葉剤で葉っぱを枯らしてから機械で一気に収穫されます
 
オーガニックコットン
オーガニックコットンの農家では、コットンを一つ一つ丁寧に手摘みします。一つずつコットンの状態を見て、手間ひまかけて収穫するのです。
 
機械で収穫をする農家もありますが、その場合は枯葉剤h使用せず、自然に葉が枯れてから収穫されます。
 
一般的なコットンとオーガニックコットンは、栽培される目的や方法が大きく異なることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
 
農薬を使わずに自然の力だけで栽培する方法は、たしかに農薬を使うよりも環境にとって良さそうなイメージがありますが、具体的に何が良いのかをお話していきます。
 

有機栽培のオーガニックコットンは何が良いの?

なぜ「オーガニックコットン」はこれほどまで注目されているのでしょうか。その理由を明らかにするため、オーガニックコットンの良さについて環境保護と生産者の健康問題の観点から解説していきます。
 

持続的な環境保護につながる

環境保護のイメージ
2014年に綿花栽培の環境負荷について、Textile Exchange(持続可能な繊維産業を推進する国際的な非営利団体)がオーガニックコットンと一般的なコットンを比較した調査が行われました。
 
彼らの調査結果から、以下のことが明らかになりました。

  • オーガニックコットンは地球温暖化への影響が47%少ない
  • オーガニックコットンは酸性雨を70%減らす
  • オーガニックコットンは土壌劣化、浸食が26%少ない
  • オーガニックコットン農業用水の使用を91%減らすことができる
  • オーガニックコットンはエネルギー使用量が62%少ない

 
それぞれ、深掘りしていきますが、少々難しい話もありますので、時間がない方は次に進んでいただければと思います。
 

オーガニックコットンは地球温暖化への影響が47%少ない

有機栽培は、農薬を使った一般的な栽培方法よりも大気中へのCO2排出を抑えることができると言います。
 
アメリカのローデル研究所の調査によると、1エーカーの面積(4,047平方メートル)の土地で深さ1フット(0.3メートル)の土地あたり、1年間の土壌中のCO2は約1,600kg増加しました。
 
世界の綿花栽培の土地8,400万エーカー(3,400万ヘクタール)を有機栽培にした場合、1,344億kgのCO2を土壌の中に保つことができる計算になります。
 
一方で、通常の農地ではCO2の増加がほとんど認められませんでした。
 
つまり、有機栽培の土壌の方が、通常の農地よりもCO2を土の中に多く蓄えておくことができるため、大気中の二酸化炭素排出を減らし、地球温暖化への影響を低減できるのです。
 

オーガニックコットンは酸性雨を70%減らす

酸性雨は、自動車や工場のエネルギーに使われる化石燃料の燃焼によって排出される二酸化硫黄や窒素酸化物が原因で起こります。酸性の強い雨は、河川や土壌を酸性化して生態系に悪影響を与える、非常に危険な現象です。
 
オーガニックコットンは、収穫を手摘みで行い、農作業で自動車を使うことは一般的なコットン栽培よりも格段に少ないです。
 
また、オーガニックコットンの国際基準である「GOTS認証」には、オーガニックコットンの生産だけでなく、製品の生産過程までが評価の基準になります。
 
つまり、オーガニックコットンは、加工工場でもサステナブルなエネルギー利用が実現されているため、酸性雨のリスクを70%も低減することができるのです。
 

オーガニックコットンは土壌劣化、浸食が26%少ない

栽培方法のところでもお話したとおり、綿花栽培には世界の殺虫剤使用量の16%、そして農薬使用量の7%という大量の化学薬品が使われています。
 
農薬は、害虫を駆除したり、雑草が生えないようにするために使われるため、土壌の中の微生物までも殺してしまいます。土の栄養を作ってくれる微生物が減ると、土は痩せて農作物が上手く育たなくなってしまうのです。
 
オーガニックコットンは、化学成分の入った農薬を使わず、有機肥料などで土を肥沃にするため、土壌の劣化を防ぐことができるのです。
 

オーガニックコットン農業用水の使用を91%減らすことができる

2025年までには、世界人口の3分の2が水不足の危機にさらされるかもしれない、と言われるほど、私たちにとって水は貴重で大切な資源。
 
国際的な動物保護団体であるWWFによると、1kgのコットンの生産に、なんと4,500リットルもの水が必要であることがわかりました。
 
コットン1kgは、ちょうどジーンズ1本分に相当する量です。
 
オーガニックコットンの栽培では、80%を雨水利用によって補うことができます。そのため、通常のコットン栽培で使用されるこの大量の水を91%も削減し、大切な水資源を守ることができるのです。
 

オーガニックコットンはエネルギー使用量が62%少ない

先程も少し触れましたが、オーガニックコットンは、製品の製造過程もサステナブルな基準が設けられているため、エネルギーもできるだけ節約します。
 
また、農薬を作る工場などのエネルギーも減らすことができるため、総合的に考えると、一般的なコットンの栽培より62%もエネルギー利用量を減らすことができます。
 
これに付随して、エネルギーを使うことで発生するCO2や生産過程の水質汚染といった環境への悪影響をも軽減することができるのです。
 

生産者の健康・生活を守る

オーガニックコットンの良さは、地球環境を守ることだけではなく、コットンを生産する世界中の生産者の健康と生活にも非常に良い影響を与えることが可能です。
 
ここでは、2つの側面から見ていきます。
 

健康被害リスクを低減

開発途上国の農家
通常のコットン栽培で利用される大量の農薬は、生産者に多大なる健康被害をもたらしてきました。
 
日々大量の農薬に晒されることで、彼らの体に直接悪影響があることはもちろん、地域で生産される農作物等の食べものも安全とは言えません。農薬を使わない有機栽培に変えることで、農薬による健康被害を防ぐことができるのです。
 

フェアトレードによる収入増加と生活の質向上

オーガニックコットンの取引では、生産者と消費者の公正な価格での取引を推進しています。
 
Textile Exchangeの調査によると、世界の65%のオーガニックコットン農家がフェアトレードまたは農家にとって適切な商取引が実施されているそうです。
 
また、オーガニックコットン以外の作物の生産をすることで、追加収入を得られるようになった農家も88%に上ります。これまでに合計193,840世帯、合計969,200人の生活の質が向上したとのことです。
 

オーガニックコットンの基準

これまで、オーガニックコットンが地球環境に良く、かつ生産者の健康や収入面にも好影響を与えることを説明してきました。
 
しかし、オーガニックコットンを購入しようとしても、見分けるにはどうすれば良いのでしょうか?
 
ある商品が本当に信頼できるオーガニックコットン製品であるかを確かめる最も簡単な方法は、「認証マーク」を参考にすること。その国際的認証基準が「GOTS(ゴッツ)認証」です。
 
この認証マークを確認することができれば、厳格な認証基準をクリアした信頼できるオーガニックコットン製品であると判断できます。
 

GOTS(ゴッツ)認証とは?

GOTS(ゴッツ)認証のマーク

GOTS(Global Organic Textile Standard)は、適切なオーガニック繊維製品であることを評価するために用いられる国際基準です。
 
GOTSのラベルには、「Organic」と「Made with Organic」の2種類があります。
「Organic」は、製品の95%以上が認証されたオーガニック繊維で、オーガニック繊維以外の天然繊維と化学・合成繊維が5%未満のもの。
 
「Made with Organic」は、製品の70%以上が認証されたオーガニック繊維を使用したもの、オーガニック繊維以外の天然繊維と化学・合成繊維が30%未満で使用可能であると規定されています。
 
さらに、GOTS認証をクリアするためには、以下のような厳しい基準を原料から最終製品までのすべての工程で満たさなければなりません。
 

GOTS:Organic の基準例
原料:95%以上がオーガニック
有機製品精度:オーガニックでない製品との混同を防ぐ
環境配慮:水・エネルギー利用の環境目標設置
薬剤使用制限:毒性の強い薬剤を使用しない
GMO禁止:遺伝子組み換え技術を利用しない
動物実験:動物実験・生体実験をしない
雇用倫理:強制労働・児童労働の禁止
労働環境:衛生的で安全な労働環境…etc

 
すべての基準を満たすことができたオーガニックコットン製品には、GOTS認証の認証マークを付けて販売することができます。
 
つまり、このマークが付いている商品は、生産過程も加工過程も、生産者にも優しいオーガニックコットン製品であるということがひと目で分かるのです。
 
オーガニックコットンの厳正な審査を通過した信頼できる製品を見極めて、地球に優しいオーガニックコットンという素材を生活に取り入れてみてくださいね。
 

さいごに。私たち消費者にできること

消費者ができること
当記事では、オーガニックコットンに関して、その栽培方法や地球環境や生産者にとってのメリットを解説してきましたが、いかがでしたか?
 
地球環境や生産者を守るためには、オーガニックコットンの栽培を拡大していくことがとても重要です。そのために、私たちにもできることがあります。
 
買い物は投票という言葉があるように、「オーガニックコットンの製品を選んで購入すること」と、「通常のコットン製品をできるだけ選ばないこと」を続けることで、世界を少しずつより良くなっていきます。
 
またオーガニックコットンを選ぶ基準としては、GOTS認証を参考にしましょう。
 
Ethical Choiceでは、追ってオーガニックコットンの商品を販売できるように準備をすすめて参ります。ぜひ、楽しみにお待ちいただければと思います。
 
それでは、最後までお読み頂き、ありがとうございました!
 

参考 :
textile exchange
オーガニックコットンとは 日本オーガニックコットン協会
soil association
WWF
日本オーガニックコットン流通機構
GOTS

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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