デカップリングとは?経済と環境保護を両立させるためにできること

サスティナブル

英語で「分離」「切り離し」といった意味を持つ「デカップリング」。農業や金融経済、環境などさまざまな分野にて使われる用語でもあります。
 
今回は、主に環境問題を語るときに使われる「デカップリング」という言葉についてその意味や考え方などについてご紹介しますの。
 
より知識を深めたい方は、ぜひご覧下さい。
 

デカップリングとは?

 
デカップリング(英語:decoupling)とは、前述のとおり日本語で「分離」や「切り離し」という意味を持つ言葉。
 
元々は、対になっているものを表す「カップル(Couple)」と否定を表す「de」を組み合わせた「デカップル(Decouple)」を現在進行形にした言葉で、色々な分野で「組み合わせの解消」をするときに使われます。
 
今回ご紹介する環境分野でのデカップリング対象は「経済成長」と「エネルギー消費」です。
 
様々な商品やサービスを生産・販売していくことは電気・ガスを消費することとセットという考え方を辞め、経済成長を止めずにエネルギー消費を抑えるというのが、環境分野におけるデカップリングの考え方です。
 
具体的には、経済活動をしていくうえで資源の再利用や再生可能エネルギーの活用をしていくということがこれに当たります。
 
今回は、主にこの環境分野で使われるデカップリングについてより詳しくご説明してまいりますが、その前に農業・経済の分野で使われるデカップリングの意味をここでご紹介できればと思います。
 

農業分野における「生産」と「所得」のデカップリング

 
まずは、農業分野におけるデカップリングという言葉の利用例を見ていきましょう。
 
農業分野におけるカップリングは「生産」と「所得」です。お米や野菜を生産し、それをもとに所得を得るのが、農家の本来のあり方。
 
ですが、生産量が過剰になると自由貿易の妨げになるほか、食料の飽和状態が懸念されます。
 
それを防ぐために日本では「減反政策」(コメ農家に作付面積の削減を要求し、そのかわりに奨励金として所得を補填する政策のこと。2018年度に廃止)が行われていました。
 
また、EUでは「共通農業政策」として同様のデカップリング政策が行われています。
 

金融経済分野における「世界経済」と「米国経済」のデカップリング

 
続いては、金融経済分野におけるデカップリングの例をご紹介します。
 
金融経済分野でのデカップリングは、主に「世界経済」と「米国経済」の関係を指します。
 
過去には、米国が経済界でも強い影響を持っていたため米国の経済が低迷をすると世界的にも経済が低迷することが多くありました。
 
ですが、近年では米国以外にもEUや中国といった様々な国が経済発展を遂げたため、米国経済に影響されづらくなったといわれており、これをデカップリングという言い方で表します。
 
ただ、2008年に米国で起こったリーマンショックの時には世界的に不景気になったこともあり、まだ世界経済と米国経済でデカップリング現象には至らないのではという考え方もあります。
 

デカップリングが必要な理由とは


環境分野においてのデカップリングは、「経済成長」と「省エネルギー社会」を両立させるために必要な考え方です。
 
かつては経済成長とエネルギー消費はセットであり、切り離すことは不可能と考えられていました。
 
ですが、地球温暖化や気候変動の深刻化に伴いエネルギー消費を削減することは重要な課題に。
 
とはいえ、経済成長を止めることはできません。そのため、経済成長とエネルギー消費を切り離す必要があるのです。
 
多くの企業や自治体が、デカップリングのため再生エネルギーの活用や省エネルギー社会の仕組みづくりに取り組んでいます。
 

デカップリングを実践する国々の具体例

 
デカップリングは、今や多くの地域で行われています。続いては、世界と、そして日本で行われているデカップリングの現状をご紹介します。
 

環境分野において

 
近年、ドイツやイギリスでは、GDPが成長している一方で二酸化炭素の排出量が減少しているというデカップリング現象が起きています。
 
両国では、再生可能エネルギーの活用や住宅の断熱化、さまざまな商品の生産過程の見直しなどを環境によい政策を積極的に行っています。
 
それがデカップリングという形で表れているということになります。
 

日本の現状とは

 
日本でも、環境分野におけるデカップリング現象が少しずつ進んでいます。
 
再生可能エネルギーの積極的な活用や家電の省エネ化なども行われており、2019年度のCO2排出量は、2005年度と比べ12.3%減少したといわれています。(数値参照:環境省hpより)
 
2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという「2050年カーボンニュートラル宣言」も行われるほか、さまざまな政策も思案されており、今後ますますデカップリング現象が進んでいくのではといわれています。
 

私たちにできること


経済成長を止めずに、エネルギー消費を抑えていくデカップリング。
 
今後の暮らしのために欠かせない考え方ですが、私たちにできることはあるのでしょうか。
 
続いては、身近なところから見ていきたい、デカップリングを進めるアイディアをご紹介します。
 

省エネルギー製品を購入する

 
家電や車の買い替え時などに注目したいのは、省エネルギー製品かどうかということ。
 
少しでも省電力のものを選ぶのはもちろん、必要以上に大きなものを買わない、自分にとって不要な機能がついているものは避けるなどというのも有効でしょう。
 
また、衣類やインテリア小物などを購入するときも省エネルギーで作られたものを選ぶというのもポイントです。
 

ゴミを減らす工夫をする

 
ゴミを処理するときにも、たくさんのエネルギーが使われています。
 
そのため、できるだけゴミを出さない暮らしがこれからは求められるでしょう。
 
具体的には、不要になったものは捨てるのではなく使ってくれる誰かに譲るほか、使い捨てのものは避けて繰り返し使えるものを選ぶ、などの対応が重要になってくるでしょう。
 

環境保全をうたう企業を応援する

 
食品や日用品を購入する際には、環境保全のため尽力している企業のものを購入・応援するというのもひとつの行動です。
 
企業に払ったお金は巡り巡って、地球のために使われるはず。
 
普段愛用しているものが、どんな企業によって作られているかに注目してみるのもおすすめです。
 

電力の無駄遣いをしない

 
誰もいない部屋についている電気やエアコンなどは、電力の無駄。
 
ひいてはエネルギーの大量消費につながります。できるだけ電力を無駄遣いしない暮らしを心がけると、自然とエネルギーの消費量は減っていきます。
 
電気だけではなく、水も出しっぱなしにせずこまめに止めるといった工夫をするようにしてみてください。
 

地産地消を心がける

 
遠方からのお取り寄せ品は魅力的なものですが、ものを運ぶのには多大なエネルギーを要します。
 
きっと地元にも、おいしいグルメや素敵な商品はたくさんあるはず。
 
お取り寄せはたまの贅沢にとっておいて、普段はなるべく地産地消を心がけてみてはいかがでしょうか。
 

さいごに。充実の暮らしを手に入れるために。

 
いくら経済が発達しても、地球環境がおざなりになってしまっては豊かな暮らしをしているとはいえないもの。
 
また、逆に地球環境がより良いものになっても経済活動が止まってしまうのは避けたいですよね。そんな2つの願いを叶えるのが、デカップリングという考え方です。
 
経済と地球環境、どちらも大切にするデカップリングは今後の暮らしに欠かせない考え方になることでしょう。
 
私たちにもできる身近な方法もたくさんありますので、ぜひ取り入れてみてください。
 
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

               
ライター:Ethical Choice編集部
Ethical Choice編集部です。エシカルな生活を送る知恵、サスティナビリティに関する取り組み、環境問題に対するソリューションを発信いたします。
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