ダイベストメントとは?投資撤退と伸びているESG投資を解説。

サスティナブル

環境問題への関心の高まりもあり、近年注目を浴びるダイベストメント。
 
ダイベストメントという言葉自体は新しいものではありませんが、化石燃料産業からの投資撤退が相次いでいるため、言葉がよく使われている側面があります。
 
当記事では、ダイベストメントに関して、その基本的な意味と、近年のダイベストメントの動向、そしてダイベストメントと同じ文脈でよく聞く単語のESG投資に関して解説。
 
最後には、個人でもできるダイベストメントに付随して、環境に優しい銀行も紹介していますので、お金を預ける先として、検討材料にしていただければと思います。
 

ダイベストメントとは?その意味を解説

ダイベストメント (英語:Divestment)とは、投資(英語:Investment)の逆で、株や債権、投資信託などを手放したり、銀行口座から資金を引き上げることを意味する言葉です。
 
詳しくは後述しますが、地球温暖化をはじめとする環境問題に大きく寄与する、化石燃料産業からダイベストメントをすることが、近年の動きとしてあるため、注目されるようになりました。
 
過去には、南アフリカのアパルトヘイト撤廃を目的に、またタバコ産業に対してダイベストメントが行われてきた歴史があります。
 
また、個人の銀行口座は関係がないと思われがちですが、銀行は預金も資金源として投資を行っているため、銀行の投資先によって、自身の資金を預けないことも立派なダイベストメントと言えます。
 

化石燃料産業からダイベスト

ここからはもう少し、近年のダイベストメントの中心である、化石燃料産業からのダイベストメントに関して掘り下げていきたいと思います。
 
化石燃料産業は、長らく地球温暖化に対して多大な影響を与えたとして、ダイベストメントの対象となっているのが現状。
 
理由は様々あると考えられますが、1つには座礁資産になるのを防ぐ目的があります。
 
座礁資産とは、市場環境や社会環境が大きく変わることで、価値が著しく下がる資産のことですが、地球温暖化を2℃以内に抑えることを目指すパリ協定や、持続可能な社会を目指すSDGsなどの動きが活発化している今、化石燃料産業への投資は座礁資産になりやすいものだということです。
 

最大の事例はノルウェー政府年金基金

近年における最大のダイベストメント、ノルウェー政府年金基金(GPFG)のものでしょう。
 
ノルウェー政府年金基金は、運用資産総額が100兆円以上の世界有数の機関投資家。
 
そんなノルウェー政府年金基金は2019年、全石炭・石油など化石燃料関連企業株1.4兆円分の投資引き上げを決定していて、その代わりに再生可能エネルギーへの投資を本格化しています。
 

日本のダイベストメントの動きは遅い

ノルウェー政府年金基金のような巨大ファンドがダイベストメントを積極的に行う一方で、日本のダイベストメントの動きは遅いと言わざるを得ません。
 
日本の場合、特に目立った化石燃料産業からのダイベストメントは見受けられないどころか、石炭火力発電への貸付を金融機関の世界ランキングにおいて、日本のメガバンクが軒並み主要資金提供者に名を連ねます。
 
2020年の10月26日に、菅首相が2050年までにカーボンニュートラルにする政策目標を表明しましたが、それをきっかけに、日本のダイベストメントも進むかもしれません。
 

ダイベストメントとESG投資

ESG投資とSDGs
投資の撤退があるということは、どこかに投資先が変わっていることを意味します。
 
現在、投資先の領域として注目されているのが、ESG。
 
ESGとは、投資判断の際に環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を指す単語なのですが、環境問題の重要性の高まりから、2020年現在、世界の投資額の3分の1を占めたりと大きく伸びている領域です。
 
日本でもESG投資の額は年々大きくなっており、その額232兆円。
 
2016年から2018年の2年間で、3.4%から18.3%と急増しており、このようなESG投資の流れからも、世界のお金の流れが変わっていることがお分かりいただけるかと思います。
 

私たちにもできるダイベストメント

ここまで、ダイベストメントの概要と、世界の流れ、またダイベストメントと共にESG投資が投資の中心になりつつあることを見てきました。
 
ダイベストメントは公的年金や巨大ファンドに関係するもので、私たち消費者にはあまり関係が内容に聞こえるかもしれません。
 
しかし、私たちもお金という資産を持っていますし、多くの方が銀行にお金を預けていて、銀行が投資先を決めていることを考えれば、どの銀行にお金を預けるかも重要な選択の1つだと言えます。
 
ここでは、私たちができるダイベストメントの1つとして、環境に優しい銀行をランキング形式で見ていきます。
 

環境に優しい銀行ランキングトップ3【350 Japan調べ】

NGOの350 Japanの独自調査によれば、地球環境に優しい銀行のランキングは以下の通りです。

  1. ソニー銀行
  2. 城南信用金庫
  3. 楽天銀行
  4. ジャパンネット銀行

 
ソニー銀行は、関連会社のソニー株式会社が、2050年に環境負荷をゼロにすることを目指すRoad to Zero(ロード・トゥ・ゼロ)」を策定。
 
城南信用金庫は、ソーラーシェアリングなどの自然エネルギー事業にも積極的に融資しています。
 
お金をどこに預けるのかを重要視するエシカル金融という言葉がある以上、このような地球に優しいと言われる銀行にお金を預けるのも、立派な環境問題への貢献ではないでしょうか。
 
*市民の力で地球温暖化の解決を目指す国際環境NGO、350 Japan独自の調べに基づいたランキングです。

 

おわりに。

当記事では、ダイベストメントの概要から、ESG投資、そして地球に優しい銀行を紹介してきました。
 
特に、お金をどこに預けて、そのお金がどう使われるのかは、私たち1人ひとりができる選択で、自分の生活の中で環境問題や地球に貢献することが可能です。
 
エシカル金融という言葉があるように、世界のダイベストメントの流れから、自身のお金がどこに預けられていて、どのように使われているのかを考えるきっかけになればと思います。
 

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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