グリーンライフ・ポイントとは|対象分野5つの環境対策・貯めるメリット

サスティナブル

環境省は、プラスチック製スプーンを受け取らなかったり、残った食べ物を持ち帰りした際にポイントを受け取ることができる「グリーンライフ・ポイント」の導入を決定。
 
一人ひとりが環境に配慮した行動を取ることで、ライフスタイルの転換を促し、環境問題を全員で解決していこうという狙いがあります。
 
この記事では、グリーンライフ・ポイントの詳細からポイントの対象となるモノ、グリーンライフ・ポイントを導入する目的をご紹介します。
 
また、どのような環境問題に貢献できるのかも対象分野別に詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
 

グリーンライフ・ポイントとは?

 
グリーンライフ・ポイントとは、日常の環境に配慮した行動がポイントとして還元される仕組みのことで、環境省は事業目的として以下のように掲げています。
 

日常の環境配慮がポイントとして還元される仕組みの持続可能な推進を通じて、国民が地域や社会の環境問題を自分事化して環境配慮行動を持続的に実践するとともに、地域の環境問題の解決と成長実現する。

つまり、国民が今まで以上に手軽に環境問題に取り組めるよう、インセンティブ(動機づけ)を与えるということです。
 
出典:「食とくらしの「グリーンライフポイント」推進事業 」(環境省)(https://www.env.go.jp/guide/budget/r04/r04juten-sesakushu/1-1_12.pdf)
 

グリーンライフ・ポイントはいつ、どこで導入される?

 
環境省が発表したこの制度は、2022年4月から導入されます。
 
具体的には、コンビニやスーパー、大手通販サイト、家電量販店、自治体が展開している既存のサービスに上乗せ。上乗せ率については全事業者一律ではなく、各事業者の判断となり、国から費用が補助されます。
 
そのため、グリーンライフ・ポイントを取り入れる企業などが今後増加していくことでしょう。
 

グリーンライフ・ポイントを導入する目的

 
greenlife_purpose
世界では深刻な環境問題に悩まされています。日本においても、大雨による浸水や台風被害、異常気象などから多くの方に被害が出ているのが現状です。
 
では、グリーンライフ・ポイントを導入する目的は、具体的に何なのでしょうか?
 

食品ロスの削減

 
日本では衛生面を考慮して食べ物の持ち帰りができず、大量に廃棄されている現状があります。食品を取り扱う工場だけでなく、一般家庭や小規模な飲食店も同様で、大量廃棄を削減しなければなりません。
 
また、日本の温室効果ガスの排出源の内訳を消費ベースで見てみると、家計関連が全体の60%以上を占めていて、「食」に至っては12%(1)と割合が非常に高くなっております。これらの理由としては、食品を廃棄する際に生じる二酸化炭素や焼却後の灰の埋め立てによる環境負荷が原因です。
 
グリーンライフ・ポイントを導入すれば、消費者が消費期限が迫った食品を買ったり、食べ残した食品を持ち帰ったりするため、食品廃棄を減らすことができます。食品廃棄を減らし、最終的に温室効果ガスを削減するのが大きな目的です。
 
(1)出典:サステナブルな食に関する環境省の取組について
 

ライフスタイル転換

 
環境問題について考えていても、実際に何をしていけばいいのか分からない方が多いのが現状です。
 
そこでグリーンライフ・ポイントを導入すれば、消費者が積極的に環境に配慮した商品やサービスを選択するようになるので、環境問題の改善に繋がります。また、企業の場合も同様で、大量廃棄を消費者の行動によって削減できれば、食品ロスだけでなくファッションロスも削減できるため、双方にとってメリットがあるといえます。
 
このように消費者と企業が協力し合うことで持続可能な社会を実現し、より環境に配慮した選択を促すことが目的です。
 

グリーンライフ・ポイントの対象となるモノ

 
食の分野においては、食品ロスを削減することが最も重要ですが、グリーンライフ・ポイントの対象となるのは5つの分野が想定されます。
 
具体的には、以下の5つの分野。

  • 衣類
  • 循環
  • 住まい
  • 移動

では、私たちは何をしたらグリーンライフ・ポイントが付与されて、よりよい社会に向けて貢献できるのでしょうか。
 

 

  • 賞味期限や消費期限間近の食品を購入する
  • 食べ残しを持ち帰りする
  • 地産地消の食材利用

地産地消とは、その土地で生産された食材を、その土地で消費すること。そんな地産地消には大きく分けて3つのメリットがあります。
 
1つ目は、輸入や輸送による二酸化炭素の排出を防ぐことができる点です。日本は世界でみても輸入に依存している国で、世界第1位の農産物の純輸入国(2)でもあります。そのため、より近くで生産された食材を選ぶ方が輸送エネルギーの削減に貢献できます。
 
2つ目は、食材が新鮮であるという点です。近年日本でも、ヴィーガンやオーガニックな食生活が流行していますが、地産地消の食材は無農薬・化学肥料を使わない方法で育てられているので、自身の健康においても安心できます。
 
3つ目は、消費者と生産者の繋がりにより、農業が活性化する点です。地産地消は、食材の品質や栽培方法にこだわっていることが多いため、それだけ手間ひまがかかります。私たち消費者が地産地消で作られた食材を購入することで、生産者は農業を続けていくことができることでしょう。
 
このようにグリーンライフ・ポイントの活用は環境だけでなく、消費者や生産者にもメリットがあります。
 
(2)出典:知ってる?日本の食料事情-農林水産省
 

衣類

 

  • ファッションロスの削減
  • 持続可能な選択(再利用・サブスク)

現在、日本では多くの新品であったり、まだ着られる衣服が廃棄されています。その量は年間48万t、1日あたり1300tもの衣服が焼却または埋め立てに。(3)
 
さらに、外出する機会が激減したことや若者が慎重に購入するようになったことが原因で、大量に生産しているファストファッションによる廃棄が深刻です。
 
私たちにできることは、再利用可能なサスティナブルブランドや古着、定額料金を支払いするサブスクを利用して服を着るなど、廃棄を出さないことを見越して衣服を購入することが重要になってきます。
 
(3)出典:環境省 サステナブルファッション-これからのファッションを持続可能に-
 

循環

 

  • プラスチック製スプーンなどを受け取らない
  • 簡易包装商品の選択

環境省と経済産業省は「プラスチック資源循環促進法」に基づいて、以下の12種類のプラスチック製品の利用を削減する方針を固めました。こちらもグリーンライフ・ポイントと同様で、2022年4月から開始される予定です。

  • コンビニやカフェなどで利用される:フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー
  • ホテルや旅館などで利用される  :ヘアブラシ、くし、剃刀、シャワーキャップ、歯ブラシ
  • クリーニング店などで利用される :ハンガー、衣類用のカバー

プラスチックを受け取らない行為が、海洋プラスチック問題や温室効果ガス削減に貢献。また、環境に配慮して簡易に包装している商品(お中元、お歳暮など)やリデュース、リサイクル、リユース可能なパッケージを選択することが重要です。
 

住まい

 

  • 再生可能エネルギーへの切り替え
  • 高性能省エネ機器への買い替え

日本は世界第4位(4)のエネルギー消費国であるにもかかわらず、エネルギーの自給率はたったの12%しかありません。つまり、多くのエネルギーを海外から輸入しているということになります。
 
そこで、重要になってくるのが再生可能エネルギーです。再生可能エネルギーを選べば、資源が枯渇することなく、繰り返し利用できます。
 
具体的には、太陽光発電に切り替えることであったり、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などが挙げられます。
 
とはいっても、そこまでしてグリーンライフ・ポイントを集めるのは難しいので、私たちにできることは、環境に配慮した機器への買い替えを行うことです。
 
(4)出典:関西電力 日本のエネルギー事情
 

移動

 

  • カーシェアの利用
  • シェアサイクルの利用

最近、都市部を中心に人気を集めているのが「カーシェア」や「シェアサイクル」。これらは、その名の通り、車や自転車などを他人と共有して使用するということです。
 
カーシェアやシェアサイクルが普及することにより、今まで以上に交流する機会が増え、地域の活性化や二酸化炭素の排出を防ぐことができます。
 
また、リモートワークなどで運動不足の方が多い中、運動不足改善にも繋がります。
 

ポイントを貯めるメリット

 
グリーンライフ・ポイントを貯める一番のメリットは、環境に配慮した行動を取ることでポイントを貯められ、なおかつ気軽に社会貢献できるということです。
 
消費者の意識が変わることで、企業がより環境に配慮した取り組みをはじめやすくなります。このライフスタイルの転換が環境省が目指す姿であり、私たちが成長していくきっかけにもなります。
 
また、このように環境に配慮した商品やサービスなどを選び、環境を大切にする消費者のことを「グリーンコンシューマー」と呼びます。
 

食品ロス問題における企業の取り組み

 
既に食品ロスに取り組んでいる企業もあります。ここでは食品ロスに取り組んでいる企業に絞って、その取り組みをご紹介します。
 
私たちの身近なところでも、グリーンライフ・ポイントが簡単に受け取れるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
 

セブンイレブン

 
セブンイレブンでは、消費期限間近の商品を「nanaco」で購入すると5%割引するというエシカルプロジェクトをはじめています。
 
対象の商品は、おにぎりやお弁当、サンドイッチ、スイーツなど幅広く、グリーンライフ・ポイントも今後上乗せされていくことでしょう。
 

スターバックス

 
スターバックスは、消費期限間近の商品を閉店のおよそ3時間前から20%値引きするプロジェクトをはじめています。
 
また売上の一部が、認定NPO法人全国こども食堂支援センターやむすびえに寄付されるため、グリーンライフ・ポイントの活用は、子どもたちの未来も守ることができます。
 

ファミリーマート

 
ファミリーマートは、消費期限の近い商品を値下げする「エコ割」をはじめています。レジでバーコードを読み取るだけで簡単に値引きが適用されることから、従業員の働きがいも重視。
 
グリーンライフ・ポイントが今後導入される対象になることでしょう。
 

さいごに。より環境に配慮した行動を

 
greenlife
グリーンライフ・ポイントとは環境に配慮した行動を取ることで受け取れるポイントのことで、環境問題の改善や私たちのライフスタイル転換に繋がることを説明しました。
 
しかし、食べ残しをした方がポイント付与の対象となるため、完食した方はポイントを受け取れなかったり、多くの税金がグリーンライフ・ポイントの事業に使われたりすることに疑問が残ったりするのが事実。実際にSNS上でも、批判的な意見が多く見受けられます。
 
とはいっても、よい側面を見てみれば、私たちが環境に対して関心を持ち、行動を変えていけるチャンスでもあります。小さな行動がやがて大きな力となることを忘れないようにしましょう。
 
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

               
ライター:Katsuya Shimmura
サーフィンを通じて環境のことを考えるようになる。失われつつある自然を守り、共存していくためにSDGs、エシカル、サスティナブルな情報を発信している。
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