牛肉1キロに2万リットル?バーチャルウォーターの意味と減らす方法を解説。

サスティナブル

輸入している食料を自国で生産したと仮定した際に、必要な水の量を示すバーチャルウォーター。食料の大半を輸入している日本は、同時に大量のバーチャルウォーターも輸入しているため、押さえておきたい概念です。
 
当記事では、バーチャルウォーターの概念と計算方法を解説したのちに、特にバーチャルウォーターの消費が多い食品や活動に関して見ていきます。
 
最後には、バーチャルウォーターの消費を減らすための具体的なアクションプランも紹介しますので、最後まで見ていただければ幸いです。
 

バーチャルウォーターとは?

バーチャルウォーター(仮想水)とは、食糧や畜産物を輸入する国が、本来自国で生産した際ににかかる水の量を計算した数値です。
 
ロンドン大学のアンソニー・アラン(Anthony Allan)が打ち出した理論で、世界的な水不足が叫ばれる中、注目される理論となりました。
 
よくバーチャルウォーターを語る際に、例にあげられるのが、トウモロコシですが、農林水産省によると、トウモロコシを1kg生産するのに必要な水の量は1800リットル。
 
日本はトウモロコシを大量に輸入しておりますが、それだけのバーチャルウォーターを輸入しているということでもあります。
 

日本は、東京ドーム6万5000個分のバーチャルウォーターを消費している

日本は、カロリーベースでの食料自給率は38%だと言われています。
 
要は、大半の食料を輸入に頼っているため、海外の水に頼って生活していると言っても過言ではありません。
 
実際に、環境省のデータによると、2005年に日本が輸入したバーチャルウォーターは、約800億立方メートル。これは、東京ドームの約、6万5000個分に相当します。
 
ここで、重要なポイントは、日本に住んでいても世界の水問題と無関係ではないということ。
 
水質汚染や、水不足の問題がよく報じられますが、それらは決して他人事ではなく、バーチャルウォーターの考え方に基づくと、自分たちにも関係があることだと言えるでしょう。
 

バーチャルウォーターとウォーターフットプリント

バーチャルウォーターと似た概念にウォーターフットプリントという概念があります。
 
両者は混同されがちですが、全くの別物。
 

バーチャルウォーター
→食料を輸入する国が、自国で生産したと仮定する時に必要になる水の量を表すもの

ウォーターフットプリント
→製品やサービスを生産〜消費する過程で使われた水の量を表す概念

概念の大きさを表すと、下記のようになります。
 
ウォーターフットプリント>バーチャルウォーター
 
バーチャルウォーターはウォーターフットプリントを考える際の1つ要素になります。
 

牛肉1キロの生産に必要な水の量は?

食肉と地球温暖化などの環境問題
バーチャルウォーターの概念がわかったところで、日常生活でどれくらいの水が使われているかみていきたいと思います。
 
その中でも、今回特に注目したいのは牛肉。
 
実は、牛肉の生産には大量の水が使われていて、牛肉1キロあたりに必要な水の量は20000リットルにも上ります。
 
先ほど日本が1600万トンのトウモロコシを輸入していると述べましたが、牛など家畜の飼料に使われている割合は65%。
 
そのような理由から、牛肉を生産するのは大量のバーチャルウォーターを輸入していることとがお分かりいただけるかと思います。
 

知らず知らずのうちに消費している水の方が多い

水の消費というと、洗濯やお風呂などで使用する水を想像することが多いかと思います。
 
しかし、東京大学の研究によれば、お風呂などの生活用水の約8倍の水が、食料の生産に使われるとのこと。
 
実際に、一日に飲む水の量は約2.5リットルで、お風呂や洗濯物、トイレなどの「生活用水」を含めても、約314リットルです。
 
一方で、ハンバーガー1つにかかる水の量は2000リットル。ラーメン1杯には1000リットル。コーヒー1杯には210リットル。
 
このように、実際に目に見えるところ以外で、私たちは想像以上の量の水を消費していることは、水という資源が有限だということを考えれば、知っていた方がいい事実ではないでしょうか。
 

バーチャルウォーターを減らす対策方法を紹介

ここまで、バーチャルウォーターの概念と、生活の中で知らず知らずのうちに消費している水に関して解説してきました。
 
何気なく食べている物や、飲み物がこれだけのバーチャルウォーターを輸入していることは、意外だった方も多かったのではないでしょうか。
 
世界の水資源は有限という中で、水の消費量やバーチャルウォーターの輸入量を減らす1人ひとりの取り組みが重要なのではないかと思いますので、ここではバーチャルウォーターの輸入量を減らすための対策方法を紹介いたします。
 

・食生活を見直すこと
・地産地消を心がける
・家庭での水の使用を見直す

詳しくみていきます。
 

食生活を見直す

植物性由来の食生活をする
先ほどもありましたように、牛肉をはじめとする畜産業は、やはり水を大量に使用します。
 
全く食べないようにすること勧めている訳ではありませんが、肉を食べる回数や、量を減らすというのは、明日からでも取れるアクションではないでしょうか。
 
また、環境省がバーチャルウォーター計算機を提供しております。畜産物をはじめ、野菜や飲み物のバーチャルウォーターを計算できますので、興味がある方は計算してみてはいかがでしょうか。
 

地産地消を心がける

地産地消を心がければ、バーチャルウォーターが減るだけではなく、輸送にかかる環境コストも削減することが可能です。
 
無理にとは言いませんが、選択肢があるのであれば、地産地消か、近くで採れたもの、もしくは国産のものにしましょう。
 

水の使用における技術革新

地球上の水のうちで、人間が利用できるのは、0.01%だと言われていますが、その貴重な水という資源を大切に使うことが大事なのは、上述したとおりです。 

水を大切に使うという文脈においては、水の使用量を98%減らすことに成功した、WOTA BOXの事例があったりと、技術革新に期待がかかります。
 
私たちにできることは、こういった使用する水の量を減らす技術を、家庭や企業で積極的に取り入れることだとも言えます。

 

さいごに。

当ページでは、バーチャルウォーターに関して解説してきましたが、いかがでしたか。
 
バーチャルウォーターは食料を輸入する際に、間接的に輸入している水のことで、目に見える生活用水よりも、食料の生産にかかる水の量の方が遥かに大きいものです。
 
また、バーチャルウォーターの輸入量を減らすには、食生活を見直すこと、地産地消を心がけること、技術革新を積極的に取り入れることを解決策として紹介いたしました。
 
水は有限な資源なので、地球をサスティナブルな場所にするためにも、1人ひとりができることを心がけることが重要です。
 
それでは、最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
 

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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