ウォーターフットプリントとは?その意味と減らすためにできること

サステナブル

水の足跡を意味するウォーターフットプリント。

一般的な概念ではないがゆえに、言葉は知っていても、日常生活とどう関係があるのか、あまりイメージできない方も多いのはないでしょうか?

実は、ウォーターフットプリントは、環境保全の観点から見ると、少しでも減らした方がいいものですが、私たちの何気ない行動で増やしている可能性が高いです。

そこで当ページでは、ウォーターフットプリントという概念を解説した上で、環境保全の目線から、私たちがウォーターフットプリントを減らす方法を紹介します。

私たちの生活、特に食生活には密接に関わってくるので、明日からアクションプランを実践するきっかけになれば幸いです。

ウォーターフットプリントとは?

ウォーターフットプリント(英語:Water Footprint)とは、食料や衣類などを生産する際に、使用される水の量のことです。

水不足などの環境問題に直面している今、使用される水の量を定量的に測り、対策を行うためにもウォーターフットプリントの考え方は非常に重要。

詳しくは後述しますが、実はもっともウォーターフットプリントが大きいのは牛肉です。

牛肉生産のウォーターフットプリントが大きいことが分かれば、食事の方法を変えたり、そもそも生産方法を変えたりするなどの対策を生産者が取れるため、非常に重要な指標であることがお分かりいただけるかと思います。

3つのウォーターフットプリント

ウォーターフットプリントは、3つに分けられるとする考え方があります。

水不足の問題を解決するために、公正でより賢い水の使用を促進する団体、Water Footprint Networkはウォーターフットプリントを以下のように分類しています。

ブルー・ウォーターフットプリント
表流水(河川)や地下水が消費された量。ここで、消費には、作物・製品に取り込まれるだけでなく、取水地点に水が戻ってこなかった場合を含む

グリーン・ウォーターフットプリント
雨水のうち、作物に取り込まれた量、及び、土壌中に水分として蓄えられた量。

グレー・ウォーターフットプリント
水の汚染量を示す資料で、環境水質基準に基づいて汚染物質を希釈するのに必要な水の量

引用:https://waterfootprint.org/en/water-footprint/what-is-water-footprint/

これは後ほど紹介する、ウォーターフットプリントの計算方法とも繋がりますが、要は単純な水の使用量だけではなく、水の使用によって引き起こされる汚染などの影響も、同時に考えることが重要だということです。

バーチャルウォーターとの違い

ウォーターフットプリントと似た概念に、バーチャルウォーターがありますが、両者は明確に違います。

ウォーターフットプリントが食料や衣服を生産する際に、使用された水の量を表す指標であるのに対し、バーチャルウォーターは輸入した食料や衣服を自国で生産したと仮定した際に必要となる水の量を表したものです。

使用した水の量が包括的に表されるのが、ウォーターフットプリントのため、バーチャルウォーターはウォーターフットプリントを考える際の1つの要素だということができます。

ウォーターフットプリントの計算方法

ウォーターフットプリントの計算方法は、環境省が出した『ウォーターフットプリント算出事例集』によれば、原材料の生産から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体を、主に以下の2つを組み合わせて、算出するとのこと。

  • インベントリ分析
  • 影響評価

インベントリ分析では、水質の変化(水質汚染物質の排出量や濃度等のデータ)と水質の変化(水源からの取水量や排水量等のデータ)も計算に入れます。

また、影響評価においては、水資源枯渇の影響と水質汚染の影響も考慮。

要は、単純に使用した水の量のみならず、水を使用した影響も計算に入れた指標だということです。

【事例】牛肉1キロの生産に必要な水の量は?

牛肉の生産にかかるウォーターフットプリント

冒頭でも述べましたが、ウォーターフットプリントが最も大きい作物は、牛肉だと言われています。その量、牛肉1キロの生産に対して2万リットル。

理由は、牛は大量に水を飲み、そして食べるためです。

細かい数字の説明は省きますが、牛1頭あたり、一日に30から40キロの水を飲み、20から30キロの餌を食べると言われています。そして、牛の餌の1つであるである1キロのトウモロコシを生産するのに必要な水の量は、1800リットル。

これで、なぜ牛のウォーターフットプリントが大きいのか、イメージできるかと思います。

ウォーターフットプリントを減らすには

ここまで、ウォーターフットプリントの概念を解説し、具体的に牛がどれくらいのウォーターフットプリントを残しているかを見てきました。

水は世界共通の財産であり、ウォーターフットプリントは減らせるのであれば、減らしたいものです。

ここでは、国連が提案している、ウォーターフットプリントを持続可能(サスティナブル)なレベルにするために必要なのは下記の3つ。

  • 集水域にウォーターフットプリントの上限を設定する
  • ウォーターフットプリントのベンチマークを策定する
  • コミュニティ全体でより公平な水の使用を促進する

1つずつ見ていきます。

集水域にウォーターフットプリントの上限を設定する

川などに、水の消費量の上限を設けて、それを超えないように水を利用することです。

川の水は、生態系や生物多様性の維持にも利用されたり、下流に住む人々の生活を支えているため、川の全ての水を使えるわけではありません。

そのため、あらかじめ水の使用量に上限を定めて、一定の量の水を常に維持する必要があります。

ウォーターフットプリントのベンチマークを策定する

食品、飲料、衣服、花、バイオエネルギーなど大量の水を使用する生産活動に対して、ベンチマークを策定し、水の使用量を減らしていく取り組みです。

例えば、従来のやり方を改め、最新の技術を取り入れるだけでも、ウォーターフットプリントを遥かに少なくすることも、可能ではないでしょうか。

コミュニティ全体でより公平な水の使用を促進する

世界全体で利用できる水の量は限られている中で、他の国よりも多くのウォーターフットプリントを残している国があります。

例えば、アメリカや南ヨーロッパでは、世界平均の2倍の水を使用しているとのこと。

そのような水の不均衡な使用を、国際的な合意をとり、是正していくことが必要になってきます。

さいごに。私たちにできることは?

当記事では、ウォーターフットプリント概念を解説し、最もウォーターフットプリントが大きい牛肉を具体例として紹介、そして減らす方法を見てきました。

ウォーターフットプリントは、飲み水やお風呂などの生活で使用する水よりも、酪農を含む農業などの方が大きいものです。そのため、減らすための対策としては、個人単位よりも国単位などの国際的な協力が必要になります。

とは言え、私たち1人ひとりにもできることはあります。

例えば、野菜類よりもウォーターフットプリントが大きい肉の消費を減らすこと。また、ウォーターフットプリントが少ない衣類を選ぶこと。

そのような消費の選択をするためにも、ウォーターフットプリントという概念を知っていただけたのであれば、編集部として嬉しく思います。

また、この記事が良いな、役に立ったなと思われたのであれば、ぜひ地球のためにSNSなどでシェアをしていただければと幸いです。

それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの初代編集長。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることがミッション。

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