ベジタリアンとは?世界で菜食主義者が急増している理由を解説

サスティナブル

ベジタリアンと言うと、野菜だけを食べるちょっと変わった人というイメージがあるかも知れません。しかし、実はベジタリアンには、貧困や環境問題といった人類共通の問題を緩和するライフスタイルの側面があるのです。
 
当記事では、ベジタリアンとヴィーガンの違いを説明したのち、肉を食べないことと貧困や環境問題の関係性を解説。
 
普通の食生活を送るみなさんとも関係がある話ですので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
 

*当記事は、一方的にベジタリアンやヴィーガンのライフスタイルを押し付ける目的ではあなく、あくまで食肉文化が環境問題や貧困問題にも関わっていることを知らせるためのものです。体に合う合わないないや健康上のリスクもありますので、ベジタリアンやヴィーガンを取り入れる際は、専門家に相談するなど、十分ご注意ください。

ベジタリアンとは?ヴィーガンとは何が違う?

ベジタリアンやヴィーガン野菜中心な食事スタイルを実践する人のことを指す単語で、菜食主義者とも呼ばれます。
 
また、ベジタリアンとヴィーガンの違いは、野菜だけを食べるか、それ以外も食べるかです。
 
具体的には、完全菜食主義であるヴィーガンが口にするのは野菜のみ。また、動物愛護の観点から、革製品なども避けるのが方もいます。
 
一方でベジタリアンは卵や乳製品まで許容、場合によっては魚や鶏肉まで食べるというのが大きな違いです。
 

4種類のベジタリアンを紹介

先ほどベジタリアンは、野菜以外にも乳製品や卵、場合によっては魚と鶏肉まで食べるという話をしました。
 
このように違いがある理由は、実はベジタリアンにも下記のように種類があるためです。
 

ベジタリアンの種類 食べるもの
ラクトベジタリアン 乳製品(Lacto:ラクト)
ラクトオボベジタリアン 乳製品+卵(Ovo:オボ)
ペスカトリアン 乳製品+卵+魚(Pesca:ペスカ)
ポーヨーベジタリアン 乳製品+卵+魚+鶏肉(Pollo:ポーヨ)

このように、ベジタリアンは種類分けをすることが可能です。
 
ただ、中には魚は食べるけど、乳製品は摂らないといった食事スタイルを実践する方もいたりと、ベジタリアンといってもアプローチの仕方は十人十色。
 
それぞれが健康や食の好みに合ったベジタリアンを実践しています。
 

ゆるいベジタリアン、フレキシタリアンが注目を集める

上記の種類以外に、最近では基本はベジタリアンだけど、場合によっては肉も食べるといった柔軟なベジタリアン、フレキシタリアンの方も増えてきました。
 
どれくらい肉を食べればフレキシタリアンといった定義がないことから、ゆるいベジタリアンとも呼ばれます。
 
自分の信条も貫きたいが、友人や同僚、家族と食事を楽しむことも両立させたかったり、いきなり食事スタイルを全て変えるのは難しい場合に、フレキシタリアンになる方も多くいらっしゃいます。
 

ベジタリアンになる理由

動物福祉(アニマルライツ)からのベジタリアン
上記では、ヴィーガンとベジタリアンの違いや、ベジタリアンの種類に関して話してきました。
 
では、なぜベジタリアンは、一般的に美味しいとされているお肉をやめてまで、一見すると制限が多いような食事スタイルをするのでしょうか。
 
ここでは、主な理由を4つ紹介いたします。
 

倫理上の理由

ベジタリアンと聞いて多くの方が想像する理由としては、倫理上の理由ではないかと思います。要は、動物愛護などの観点から、人が食べるために屠殺(とさつ)することが、倫理的に受け入れられないということです。
 
実際に、ドキュメンタリーなど様々な媒体では、家畜を無残に扱ったり、身動きが取れないとても狭いケージの中で育てていたり、早く育つように多くのホルモンを投与したりといった様子が映されていて、その扱いには良心が痛みます。
 
牛や豚などの家畜も、人間と同等に感情があるし、命の重さに変わりはないとして、肉食を止めるのが1つ目の理由です。

 

健康上の理由

あまり知られていませんが、食肉は健康に対してリスクがあると言われています。
 
ここで、食肉によって引き起こされる健康リスクをいくつか見てみましょう。
 

・世界保健機関(WHO)は、毎日50gのソーセージやベーコンなどの加工肉を食べることが、大腸癌のリスクを18%増やすと発表。
・アメリカがん協会は加工肉を、『人に対して発がん性がある(Group1)』に分類
・赤肉(Red meat:牛・豚・羊肉などの肉)は『おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)』と判定
・ガンの5~10%だけが遺伝的要素で発症。
・乳製品は、前立腺癌をのリスクを34%増加させる

これらの研究結果は後に覆されるかも知れませんが、それでも進歩した科学と医療を誇る現段階で、これだけの健康リスクが証明されたことは見逃せない事実です。
 
日本人の肉の摂取量は世界的に見ても低いため、それほど心配はいらないかも知れませんが、それでもリスクがあることは知っておいても、損はないかと思われます。
 
参考資料:

https://www.iarc.fr/wp-content/uploads/2018/07/pr240_E.pdf
https://www.pcrm.org/health-topics/prostate-cancer
https://www.cancer.gov/about-cancer/causes-prevention/genetics

 

ベジタリアンと貧困問題

あまりピンとこないかも知れませんが、肉を食べることは貧困問題に加担しているという側面もあります。
 
実は、今地球上には100億人を養えるだけの穀物が生産されているのですが、その穀物の50%が家畜を育てるのに使われています。
 
そして、悲しいことに、肉を食べる西洋諸国に、肉を提供する国に、飢餓状態にある子どもの82%が住んでいるのです。
 
世界人口をまかなうのに十分な穀物を生産しながらも、貧富の差によって、このような不平等が世界で起こっていることは、食事スタイルを自由に選択できる先進国に住んでいる人間として、知っておくべき事実なのではないでしょうか。
 

食肉と環境問題に関して

食肉と地球温暖化などの環境問題
ベジタリアンになる最後の理由としては、食肉が環境に大きなダメージを与えるためです。
 
あまり知られていない事実かと思いますので、少し掘り下げていきます。牛肉を育てることで、関係してくる主な問題は次の4つ。
 

・地球温暖化
・砂漠化
・海の生態系の崩れ
・水不足

 
実は、畜産業は世界の温室効果ガスの24%を排出していると言われていて、その量はよく槍玉に挙げられる飛行機や鉄道などの輸送機関を全て合わせた13%よりも遥かに大きいものです。
 
また、牛が出すゲップにはCO2の20倍もの温室効果があるメタンガスが含まれていて、その排出量は1日に1500億ガロン(約5億7千万立方メートル)。餌となるトウモロコシや小麦の生産・輸送、フンの処理にかかる温室効果ガスは、牛肉1キロあたり7.8kg。
 
牛を放牧するためには、土地が必要で、そのために森林を伐採します。実際に、アマゾンの熱帯雨林は、すでに70%が失われていて、その原因の91%が畜産業によるものだというデータもあります。
 
さらに、牛の飼料となる穀物を生産する際に使われる農薬は海に流れて、海の生態系に影響を及ぼしますし、牛肉1kg育てるのに使われてる水の量は、2万リットル。
 
このように、現在のペースで牛を育てることんは環境問題に多大な影響を与えることになるのです。

 

さいごに。自分が食しているものを知ることの大切さ。

当記事では、ベジタリアンやヴィーガンが何かを説明し、近年ベジタリアンをはじめとする菜食主義者が増えている4つの理由を見てきましたが、いかがでしたか。
 
牛肉や肉を食べることが健康問題や、貧困飢餓、さらには地球温暖化などの環境問題にも影響を及ぼしていることは、多くの方にとって衝撃だったかと思います。
 
また、冒頭でもあった通り、当記事を通して伝えたいことは、決して一切肉を食べるな、全員ベジタリアンを取り入れた方がいいなどという極論ではなく、自分たちが普段生活する中で、地球や社会にどれだけの影響を及ぼすかを考えようということです。
 
買い物は投票という言葉がある通り、企業がこれからどう販売するかは、私たちの選択によって作られます。
 
当記事を通して、事実を知り、日々の生活を改めて見直したり、当たり前の現実に問いを投げるきっかけになれば幸いです。
 
それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
 

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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