サーマルリサイクルとは?日本のリサイクル率80%超えの秘密に迫ります。

ゼロウェイスト

日本におけるプラスチックゴミのリサイクル率は80%を超えていて、これは世界基準で見ても非常に高い数字です。
 

しかし、環境先進国と言われる海外諸国から言わせると、日本がやっていることは、リサイクルではないと言う声があることをご存知でしょうか?
 

実は、リサイクル問題の争点となっているのが、今回紹介するサーマルリサイクルの存在です。
 

サーマルリサイクルとは何か、そしてなぜ欧米諸国からリサイクルと認められていないのか、その理由を見ていきましょう。
 

サーマルリサイクルとは?発電に使われるだけで、リサイクルじゃない?

サーマルは熱を意味する英単語で、サーマルリサイクル(英語:Thermal Recycle)とは、訳せば熱回収と言うことになります。
 

何が熱回収かと言いますと、サーマルリサイクルにおいては、プラスチックごみを焼却炉で燃やし、その熱エネルギーを回収して、発電などに使うと言う仕組みです。
 

要は、サーマルリサイクルは、ゴミを利用した火力発電だと言うことができます。
 

マテリアル・サーマル・ケミカル。3つのリサイクルを解説

先ほどからサーマルリサイクルを紹介していますが、実はリサイクルには3つの種類があると考えられています。
 

サーマルリサイクルを除く2つのリサイクルは、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルです。
 

マテリアルリサイクルとは?

マテリアルリサイクルとは、廃棄物を再び原材料として再利用するリサイクル方法のことです。
 

ペットボトルを粉砕して、処理することで、新たに繊維として再利用し、衣類の原料にする。パソコンなどに含まれる電子廃棄物から金属などを材料として、指輪などを作るといったリサイクルが、マテリアルリサイクルの代表例です。
 

ケミカルリサイクルとは?

ケミカルリサイクルは、廃プラスチックなどを、化学的に分解し、化学原料として再生するリサイクル方法です。
 
ケミカルリサイクルでは、ペットボトルからペットボトルを作ることが可能で、いわゆる皆がイメージするリサイクルに近いのではないでしょうか。
 

理想的に聞こえるケミカルリサイクルですが、分子レベルの分解が必要のため、資金もエネルギーも、大掛かりな施設も必要なのが難点。
 

そのせいもあって、日本ではケミカルリサイクルの割合は、わずか4%に止まっています。
 

日本のリサイクル率84%に隠された問題点

リサイクルの56%はサーマルリサイクル
 
日本は、リサイクル率が80%を超える、だからプラスチックを使っても、環境に悪いことはしていないと言う論調をよく聞きますが、本当にそうなのでしょうか?
 

ここで考えるべきなのは、リサイクルと言われている84%の中に占めるサーマルリサイクルの割合だと思うのですが、なんと56%を占めると言われています。
 

つまり、84%のうち、本当に私たちがイメージするリサイクルの処理をしているのは、残りの28%なのです。
 

また、OECDが2013年に調査した『廃棄物処理とリサイクル』のデータによれば、日本のリサイクル率はわずか19%で、34ヵ国中27位タイ
 

リサイクルという名前を巧みに使った印象操作のと言われても仕方がないのが、今の日本におけるリサイクルの実態なのです。
 

国が推奨する循環型社会形成推進基本法とは?

このように、リサイクルしてもほとんどがサーマルリサイクルに使われるのであれば、私たちはどうすればいいのでしょうか?
 

環境負荷が低い社会を目的に制定された循環型社会形成推進基本法によれば、処理の優先順位は次の通りとのこと。

  1. リデュース
  2. リユース
  3. マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル
  4. サーマルリサイクル(熱回収)
  5. 廃棄物としての適正処理

つまりは、サーマルリサイクルは4番目に検討すべきもので、まずは資源を使う量を減らすことが重要だということです。
 

リデュース、リユースに関しては、資源を無駄にしないゼロウェイストの5Rの考え方と通じるものがありますので、私たちにできることが知りたい方は、ゼロウェイストの考え方を生活に取り入れてみるのは、いかがでしょうか?
 

さいごに。

当記事では、サーマルリサイクルに関して解説してきましたが、いかがでしたか?
 
サーマルリサイクルは、簡単に言ってしまえば、ゴミを利用した火力発電で、日本におけるリサイクル全体の56%を占めています。
 

また、環境負荷のことを考えると、私たちができることはなるべく資源を無駄にしないゼロウエイストの考え方を生活に取り入れることだと紹介しました。

 
当記事が、読んでくださった皆さんの環境に対する考え方に、少しの気づきを与えられていれば幸いです。
 

それでは、最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
 

               
ライター:Sohshi Yoshitaka
Ethical Choiceの事業責任者。2030年までに地球が持続可能になる土台を、ビジネスを通して作ることが現在のミッション。
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